JPYCが韓国Upbitへ初上場、同日に発生したネットワーク障害と今後の展望

JPYCが韓国Upbitへ初上場

2025年10月に発行開始された日本初の認可済み円建てステーブルコイン「JPYC」は、韓国の主要取引所であるUpbit(アップビット)へ上場を果たしたことがあきらかになった。

JPYCは、日本円や日本国債を裏付け資産とし、円と1対1で価値が連動する資金決済法に基づいた電子決済手段型ステーブルコインである。今回の動きは、企業の資金調達も順調に進んでおり、同年8月にはAZ-COM丸和ホールディングスなどを引受先として、約60億円規模のシリーズBエクステンション・ラウンドを完了させるなど存在感を高めている中での動きとなった。

こうした中、JPYCはこれは、円連動型のステーブルコインが韓国市場で取引される初めての快挙となる。同日には米ペイパル系ステーブルコイン「PYUSD」も同時に取り扱いが開始され、ウォン、ビットコイン、USDTの3市場に投入された。

取引開始直後、JPYCの価格は一時27.2ウォンまで急騰。これはUpbitが示した世界的な参考価格(約8.81ウォン)の3倍以上に相当し、その後は23ウォン前後で落ち着きを見せている。

なお、今回の対応ネットワークはイーサリアム(Ethereum)のみとなっており、JPYCが展開するポリゴン(Polygon)、カイア(Kaia)、アバランチ(Avalanche)といった他のチェーンは対象外だ。

イーサリアム上の発行予約機能は復旧、ポリゴンは停止継続

Upbitでの取り扱いが始まったまさにその日、新規トークンを生成する際にユーザーが利用する「発行予約機能」に障害が発生した。これを受け、JPYC社は公式Xを通じて順次アナウンスを行い、原因究明を目的としてイーサリアムおよびポリゴンネットワーク上の発行予約を一時停止した。

すでにイーサリアムネットワーク上の予約機能は無事に復旧したものの、ポリゴン上の機能については依然として停止状態が続いている。今回のトラブルにおいて、既存の保有残高や送金機能への直接的な影響についての言及はないものの、同社はユーザーに対して謝罪を行っており、詳細な調査結果は順次共有される見通しだ。

なお、トークン全体の流通量に関しては、木曜朝の時点で約19億JPYCとなり、前日の約19.2億JPYCから微減しています。主に8月下旬以降、Kaiaネットワーク上での流通量が減少していることがその背景にある。

国内の100万円上限とグローバル展開への期待

国内におけるJPYCの取得は、主に発行・償還プラットフォームJPYC EXを介して行われる。国内市場においては、発行額に関して1回あたり100万円といった上限規制が設けられていますが、ウォレットが保有する残高やユーザー間の送金額そのものには制限がない。

JPYC社の岡部典孝CEO(最高経営責任者)はメディアの取材に対し、国内の電子取引業者より先に韓国最大手のUpbitで取り扱われたことに対して驚きを示した。さらに、海外の仮想通貨取引所に対しては国内で適用される100万円の発行・償還上限が適用されない仕組みである点を強調し、今回のグローバル展開が将来的な国内規制の見直しを促すきっかけになることへの期待感を表明している。

韓国市場への華々しい進出と、それに伴う技術的なトラブルを同時に経験したJPYC。今後のネットワーク完全復旧や、海外市場を軸としたさらなる流通拡大の行方に多くの関心が寄せられています。