米国当局、ロジャー・ヴァー氏を4,800万ドルの税金詐欺で狙う

ロジャー・ヴァー氏が4800万ドルの税金詐欺問題に直面

ビットコイン(Bitcoin/BTC)を早くから熱心に支援したことから「Bitcoin Jesus(ビットコインジーザス)」とも呼ばれるロジャー・バー(Roger Ver)氏が現在、DOJ(米国司法省)から深刻な法的問題に直面していることが明らかになった。

この起訴状が公開された後、スペイン当局は同氏を逮捕しており、米国は現在、同氏の身柄引き渡しを求めている。元カリフォルニア州サンタクララ在住の同氏は、コンピューターとネットワーク機器を販売するMemoryDealers.com Inc.とAgilestar.com Inc.を所有しており、2011年頃から、個人およびビジネス目的でビットコインを取得し始めたとのこと。

しかし、2014年にセントクリストファー・ネイビスの市民権を取得し、米国籍を放棄した後、彼の法的トラブルはエスカレート。その結果、当時1枚あたり871ドル(約13万円)相当と評価された131,000BTCを含む彼の世界的な資産からのキャピタルゲインを報告する必要があった。

起訴状によると同氏は、法律顧問や税務顧問に虚偽の情報を提供し、資産を大幅に過小評価した税務申告をしており、2017年までに、約7万BTCを2億4,000万ドル(約367.3億円)相当で管理・売却したとされているが、この取引はIRS(Internal Revenue Service:米国内国歳入庁)に報告しておらず、DOJは次のように述べている。

バー氏が当時米国市民でなかったとしても、米国法人であったメモリーディーラーズやアジレスターからの配当金など特定の分配金については、IRSに報告し納税することが法的に義務付けられていた。


バー氏はほかにも法的課題を引き起こしていた

バー氏の財務活動は、さらなる法的課題を引き起こしており、仮想通貨融資会社のGenesis(ジェネシス)は、2,080万ドル(約31.8億円)相当の仮想通貨オプション取引を決済していないとして彼を訴えている。

同様に、セーシェルに拠点を置く取引所であるCoinFex https://coinfex.org/ (コインフェックス)は、未決済の4,700万ドル(約71.8億円)の証拠金債務をめぐって同氏を追及している。また、仮想通貨分野では他にも重要な法的措置が目撃されており、バイナンス(Binance)の創設者であるジャオ・チャンポン(趙 長鵬:Zhao Changpeng)氏もまた、4月30日に裁判に直面した。ジャオ氏は銀行秘密法違反を認め、4カ月の実刑判決を受けており、懲役3年の可能性があったにもかかわらず、当局への協力により刑期は大幅に短縮されたほか、5,000万ドル(約76.4億円)の罰金も支払わなければならないとのことだ。