Ondo Finance、DTCC Fund/SERVネットワークに加盟した初のトークン化企業に

Ondo FinanceがDTCCのFund/SERVに参加

Ondo Finance(オンド・ファイナンス)は、DTCC(米国証券保管振替機構)が運営するFund/SERVネットワークに、トークン化企業として初めて加盟したことを発表した。

日本語訳:
Ondo Financeの子会社であるOasis Pro Markets(米国登録ブローカーディーラー)がDTCCのFund/SERVに参加したことをお知らせします。Ondo Financeは、米国の投資信託取引活動の 85% 以上を処理するネットワークに…

これにより、規制当局の認可を受けた同社の米国子会社であるOasis Pro Markets(オアシス・プロ・マーケッツ)が、国内の投資信託取引量の85%以上を処理する巨大なインフラストラクチャーへと直接接続されることになる。

Fund/SERVは、米国における投資信託の取引処理や決済業務の中心を担う中核システムだ。従来の金融市場において、新規のプラットフォームが各ファンド会社やウェルスマネジメントプラットフォーム、販売会社と連携するには、個別に複雑な技術統合を行う必要があった。しかし、今回の加盟によってOasis Proは確立された業界全体の標準ルートを利用できるようになり、複数のシステム連携業務を大幅に効率化することが可能となる。

Ondoのイアン・デ・ボーデ(Ian De Bode)社長は、トークン化プラットフォームとして初めてFund/SERVに参加できたことへの喜びを示し、標準化された単一の接続によって個別の新たな統合を構築する手間が省けたと運用上の大きなメリットを強調。また、DTCCのマネージングディレクターであるタリア・クライン(Talia Klein)氏も、今回の参加は既存の金融インフラがブロックチェーン技術を活用した商品や市場の進化にどのように対応・支援できるかを示す好例であると評価している。

Oasis Proを通じた米国市場への規制されたルートと事業拡大

Oasis Pro Marketsは、SEC(米国証券取引委員会)に登録されたブローカー・ディーラーおよび代替取引システム(ATS)であり、FINRA(金融業規制機構)やSIPC(証券投資家保護公社)の会員として運営されている。また、関連会社のOasis Pro TAも証券取引代行業者として登録されている。

同社は7月に、米国および機関投資家向けにトークン化された企業株式やファンド商品に関するFINRAの認可を取得しており、全米市場システム(NMS)上場株式やETF(上場投資信託)、投資信託、インデックスファンドへの投資をサポートしている。

取引の決済には法定通貨だけでなく対応するステーブルコインも利用可能であり、オムニバス口座(※1)のサポートを通じて既存のブローカー・ディーラーや登録投資顧問会社、退職年金口座などの伝統的な金融チャネルとスムーズに連携できる仕組みを整えている。

ただし、SECへの登録や関連機関への加盟は、特定のトークン化証券の当局による承認や推奨を意味するものではない。Ondo側の規制開示資料においても、投資資金の一部または全部を失うリスクについての警告がしっかりと記載されている。

(※1)オムニバス口座とは…
複数顧客の資産をブロックチェーン(オンチェーン)上の一つの共有口座(アドレス)にまとめて記録し、下位台帳で顧客別に管理する仕組みを持つ口座の事。


DTCCとの深まる関係とトークン化証券の展開

今回のFund/SERVへの加盟は、Ondoがこれまで築いてきたDTCCとの緊密な関係に基づいている。

Ondoは、ブラックロック(BlackRock)やゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)、JPモルガン(JPMorgan)、ナスダック(Nasdaq)など50社以上の主要金融機関とともにDTCCのトークン化ワーキンググループに参加していた。このグループは、DTCが保有する資産のトークン化に関する運用および技術プロセスのテストを目的として設立されたものだ。

さらに、Ondoは米国内でのインフラ整備にとどまらず、トークン化証券事業そのものを積極的に拡大。規制対象のカストディアンが保有する証券を裏付けとしたイーサリアム(Ethereum)ベースのトークン発行をしており、ブラックロックのiShares Core S&P 500 ETFやマイクロン・テクノロジーの株式に連動するオンチェーン証券の展開を完了させている。これらの仕組みは、裏付け証券を従来の規制されたカストディ・システム内に保持しつつ、ブロックチェーン上のトークンを通じて投資機会を提供する設計となっている。

米国外においては、日本のSBIグループと共同で日本株をトークン化する合意を形成しており、Ondo Global Marketsが発行する商品をSBIの金融プラットフォームで販売。決済や担保機能としてステーブルコイン「JPYSC」を活用する計画が進められている。このように、Ondoは伝統的な金融インフラストラクチャーと最先端のブロックチェーン技術を融合させ、グローバル規模でトークン化証券の流通エコシステムを着実に築き上げている。