テザーとトロンが仮想通貨犯罪を取り締まる
テザー(Tether/USDT)は、仮想通貨を利用した犯罪対策を強化するため、トロン(TRON)およびビジネス向けコンプライアンスおよびリスクマネジメントを手掛けるTRM Labsと提携し、仮想通貨犯罪対策タスクフォース「T3 FCU(T3 Financial Crime Unit:T3金融犯罪ユニット)」を設立した事がわかった。
テザーとTRONが共同でT3金融犯罪ユニットを通じて仮想通貨犯罪と戦うことで、市場でのセキュリティと信頼性が高まり、USDTの採用が促進される可能性がある。テザーは、TRONおよびTRM Labsと提携し、仮想通貨犯罪と戦うためにT3 FCUを立ち上げた。このコラボはUSDTのセキュリティと信頼性を高め、採用を促進することを目指している。
T3 FCUと呼ばれる今コラボレーションは、大手ステーブルコイン発行者=テザーの強力な調査能力、TRONのブロックチェーンに関する専門知識、およびTRM Labsの金融犯罪対策の専門知識を組み合わせたものである。不正使用対策における“官民”の協力を促進し、デジタル資産とその取引のための安全な環境の構築に役立つことが期待されている。2024年9月10日(火曜日)のプレスリリースでテザーは、T3 FCUの設立について、悪意を持つ者がUSDTを使用して犯罪収益を洗浄および利用する能力を阻止し、トロンの完全性を保護するための重要なステップであると述べている。
3者の特性を全面に生かした金融犯罪対策への取り組み
パートナーシップの一環として、TRM Labsはトロンとテザーを支援し、ハッキング、テロ、サイバー犯罪、盗難、詐欺、制裁回避などの犯罪容疑に関連する取引をフラグ付けするとのことで、声明の中で同社は次の様に述べている。
TRMは、独自のテクノロジーと専門調査員のグローバルネットワークを活用して情報を生成します。この作業は、犯罪活動を阻止し、世界中の法執行機関との協力を支援するトロンとテザーの取り組みをサポートします。
声明によると、T3 FCUは法執行機関と協力し、脅迫詐欺に関連する1,200万USDTを超える資金を凍結し、トロンで発行されたUSDTのクリーンアップに専心していることを強調。この動きは、TRM Labsによる2023年のレポートに続くもので、TRONが違法仮想通貨取引量の約45%の媒介となっており、前年の41%から増加していることが強調されている。TRONに続いてイーサリアムとビットコインがそれぞれ24%と18%続いている。なお、報告書によると、USDTが違法取引量が最も多いステーブルコインとしてランク付けされ、その総額は193億ドル(約2.7兆円)に上っている。
今回の展開は、暗号詐欺に対する懸念が高まる中、投資家の注目を集めており、T3 FCUのような取り組みがデジタル資産エコシステムの保護に重要な役割を果たす可能性があると多くの人が予想し、期待している。