モバイル決済のスクエアが大幅な収益の増加
カリフォルニア州サンフランシスコに拠点を構えるモバイル決済企業のスクエア社(Square Incが4日(火曜)、第2四半期(Q2)決算報告で、アナリストの予想を上回った事が分かった。
今週火曜にモバイル決済を手掛けるアメリカ企業のSquare社が、Q2第2四半期決算報告を発表し、19.2億ドル(約2,000億円)で、前年比64%の大幅な収益を挙げたことが分かった。今回の大幅な収入の背景には、同社の主力商品であるモバイル決済サービスCash Appで、ビットコインを含む大幅な利益を相殺したことが大きな要因となっている。また、株式は時間外取引で11%も急上昇し、パンデミックの渦中で、消費者がデジタル決済へと集まった事が起因となり、今年は例年比の2倍以上に増加しているとCNBCは報じている。
これはウォール街のジャーナリストが公表していた収益見積もりを大幅に上回っており、金融リスク調査企業のリフィニティブ (Refinitiv)社のアナリストは、CNBCが以前に報告したように、1株あたりの平均調整後損失は5セントと推定していた。
Squareの純損失は1,150万ドル(約12億円)で、昨年の670万ドルから71.6%増加している。全体のM&Aによる会社売却価格を大きく上下する調整済みEBITDAは9,790万ドル(約103億円)で、2019年第2四半期の105.3百万ドルから7%減少している。
同社の最大の収益成長は、PayPalのVenmoのライバルであるピアツーピアCash Appによるもので、アプリの粗利益は前年比167%増の2億8,100万ドル(約300億円)で、保存された資金や顧客がアプリを維持する金額は、前の四半期から86%の増加をみせている。12億ドルの総収益に2億8,100万ドル(約300億円)の粗利益をもたらした事が分かっている。
ビットコインを介した収益は、ペイメントアプリの600%増加の8億7,500万ドル(約925億円)になり、ビットコインの粗利益は前年比711%増の1,700万ドル(約18億円)であった。収益と利益の両増加は、顧客の需要の増加に起因しており、Square社は、今年6月の時点で、このアプリに昨年の同時期の2,600万人のアクティブユーザー数から、3,000万人に、400万人のユーザー増加も明らかにしている。
Cash Appではビットコインの購入や手数料不要の株式取引を提供しており、ユーザーはP2P(ピアツーピア=複数のコンピューター間で対等に通信する際の構造のひとつ)ベースで送金したり、支払いができる。
Apple Inc、Apple Pay、Alphabet Inc、Google PayおよびPayPal Holding IncのVenmoと競合している。Cash Appは政府刺激策を預金しているそのユーザーからの「意味のある隆起」を見た、とアムリタ・アフジャ(Amrita Ahuja)CFO(最高財務責任者)は火曜の記者団との電話会談で語っている。さらに、失業チェックと税金還付も「追い風」であり、Cash Appの勢いを高めまている。ただ、Cash Appは継続的な刺激には依然として「不確実性」があり、これらの傾向は結果として「正常化」する可能性があると同氏は語っている。