ドイツ最大、ビットコイン対応ダークネット麻薬取引の裁判が開かれる

麻薬取引関与のダークネットに裁判開始

ドイツ最大のビットコイン対応ダークネット麻薬市場に関与しているとされるディーラーの裁判が5日に開かれる。

ドイツ最大のダークネット麻薬市場である“ケミカルレボリューション(Chemical Revolution)”に関与しているとされるディーラーが本日裁判にかけられる。訴訟における多数存在する被告は、裁判所が被告及び傍聴人を一度に収容するのに十分な広さを誇るドイツ中部のギーセン(Giessen)市にある議会ホールでの異例の開催とのこと。

5日に裁判にかけられる被告は7人で、全員が裁判にかけられているが、事件に関連しては2019年6月計11人の逮捕者が出たことで、ドイツ国内では大きな衝撃が走った麻薬取引事件だ。なお、被告らは、ビットコイン(Bitcoin/BTC)と引き換えに、MDMAやアンフェタミン、ヘロイン、コカイン、大麻など、大量の薬物を消費者に販売していたとして起訴されている。

フランクフルトの州検察官は、11人の被告が2017年9月から2019年2月の間にケミカルレボリューションを介してアンフェタミン130キロ、大麻42キロ、エクスタシー(結晶)17キロ、コカイン6キロ、ヘロイン(正確な販売量は現時点で不明)を売買したと主張している。被告らの利益は100万ユーロ(約120万ドル/1億2,500万円相当)を超えたとされており、ドイツ国内最大の麻薬取引として大きな衝撃が走った。

複雑な違法操業ウエブサイト

数カ月に渡って実施された調査では、サイトの閉鎖や麻薬の押収など、2018年に捜査が開始され、昨年6月にようやく犯人逮捕に至っている。捜査ではドイツの警察から覆面捜査官の投入と偽薬の購入、およびインサイダーの情報提供者によって、サイトの背後に隠れているサプライチェーン(麻薬供給側の販売経路・構造)と管理構造の複雑な迷路が構築されていたという。

ケミカルレボリューション事件の主犯とされているのは、マヨルカ島に居住する26歳のドイツ人であると報告されている。被告はサプライチェーン内でプラットフォーム管理者から宅配便業者、営業スタッフまでさまざまなポイントに渡ってサイト運営に関与していたと検察官は語っている。

ドイツの通信社Deutsche Welleによると、2019年9月に発表されたオンライン麻薬取引に関するドイツ連邦警察の調査によると、2018年の関連薬物犯罪は、前年と比較して27.5%増加したと報じている。

報告によると、匿名化、暗号化ソフトウエア、およびビットコイン購入のサポートにより、サイトのオンライン運用が促進されていたとのこと。事件以前の報道では、ケミカルレボリューションのディーラーも昨年春にドイツの警察によって閉鎖された世界第2の最大のダークウェブ市場で頻繁に麻薬取引が実行されていたウォールストリートマーケットを介して販売していたことが分かっている。

ブロックチェーン分析会社のChainalysisが今年1月に実施した調査によると、仮想通貨のダークネット市場の総売り上げは、2019年に初めて6億ドルを超え、過去最高を記録していると発表した。

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