リップル社がXRP Ledger向けAIスターターキットのバージョン1.1をリリース
リップル(Ripple)社は、XRP Ledger(XRPL)向けの「AIスターターキット」のバージョン1.1をリリースし、AI(人工知能)エージェントによる自動決済分野への展開を加速させている。
Agentic payments will be multi-platform and multi-rail. Our job is to make XRP and RLUSD first-class options wherever developers are building.
The latest XRPL AI Starter Kit expands support for the open standards developers are converging on: Open Wallet Standard, MPP from Tempo + Stripe, and x402, alongside new tooling to make building on XRPL even easier.
Let’s meet developers where they are. https://t.co/pHwKnyljQR
— Jazzi Cooper (@jazzicoop) September 16, 2026
エージェント決済はマルチプラットフォームかつマルチレールになります。私たちの仕事は、開発者がどこで開発を行っていても、XRPとRLUSDを第一級の選択肢にすることです。最新のXRPL AIスターターキットは…
今回のアップデートにおける最大のトピックは、決済大手のStripe(ストライプ)とTempo(テンポ)が共同で開発したオープンなマシン間(M2M)決済標準MPP (Machine Payments Protocol)およびOWS (Open Wallet Standard)への対応が追加された点だ。これにより、開発者はXRPLを基盤とした自律型エージェント向けの決済アプリケーションをより容易に構築できるようになる。
AIエージェント経済圏におけるXRPとRLUSDの役割
近年のAIの進化に伴い、ソフトウェアやエージェントが自らAPIの利用料、計算リソース、データ、その他のデジタルサービスを購入する機会が急増している。
従来の決済プロセスのように、その都度人間が介入して支払いを承認するのではなく、AIが事前に権限が設定されたウォレットを使い、制限の範囲内で取引を自動処理する仕組みが求められている。
リップル社はこのエコシステムにおいて、XRPや米ドル連動型ステーブルコインRLUSDを主要なプログラム可能な決済手段として位置づけている。XRPLの特長である「3〜5秒での高速決済」と「予測可能な低手数料」は、少額決済(マイクロペイメント)が頻発するAI主導の取引において極めて大きなメリットとなる。
なお、Stripeとの連携については、Stripeの通常のチェックアウト製品に直接XRPが追加されるわけではなく、あくまでM2M取引向けの決済標準(MPP)においてXRPやRLUSDが利用できるようになるという位置づけだ。
2つの決済方式と柔軟な制御機能
今回のスターターキットでは、AIエージェント向けに主に2つの決済方式がサポートされている。
単発決済(シングルペイメント):
XRPや対応トークンを使用し、数秒で迅速に決済を完了させる方式である。
セッション決済(決済チャネルの利用):
AIエージェントが事前にチャネルへ資金を預け入れ、サービスの利用継続に合わせてオフチェーンで署名付きバウチャー(証書)を送信する方式だ。これにより毎秒10万件以上の処理が可能となり、蓄積された残高を一度のオンチェーン取引で効率よく精算できる。
また、XRPLの権限委任(Permission Delegation)機能やOpen Wallet Standardを活用することで、メインの秘密鍵を安全に保護しながら、AIエージェントが実行できる取引や利用限度額を細かく制限・管理することが可能だ。これにより、ビジネスアプリケーションにおける自動決済のリスクを効果的に軽減できる。
今後の展望と課題
リップル社はこれまでにウェブ決済標準「x402」の統合も行っており、今回のMPP対応とあわせて、開発者がシステム選定の段階で柔軟にXRPLを選択できるようにアプローチしている。
一方で、現段階ではソフトウェア自体がまだベータ版の段階にあり、ステーブルコインによる決済セッションの実現にはさらなるXRPLのアップグレード提案が必要となるケースもある。
また、エージェント決済の分野ではすでにCircle(サークル)社のUSDCが事実上の標準として存在感を示しており、リップル社が開発者市場でどこまでシェアを拡大できるかは、今後の具体的な採用状況や実需の広がりにかかっている。























