TikTok運営企業、ブロックチェーン・AIの合併企業を設立

TikTok運営企業、ブロックチェーン・AIの合併企業を設立

TikTokの運営元となる企業ByteDanceと中国でメディア事業を手がけるShanghai Dongfang Newspaperが、ブロックチェーンとAIを使った新会社「Pengpai Audiovisual Technology」を共同で立ち上げた。14日にブルームバーグの報告から明らかになった。この新会社では、ブロックチェーンの技術開発に加えて、AIを使った公共サービスおよびデータサービスの提供、AIアプリケーションの開発などの事業を展開するとのこと。

新会社が設立されたのは今月10日であり、資本金は100万元(約140万ドル)だ。そのうち49%はByteDanceが管理している。Shanghai Dongfang NewspaperはThe Paper.cnというメディアを中国で手がけており、上海市が支援している上海ユナイテッド・メディア・グループが管理している。ただし、現時点で新会社が具体的にどのようなサービスを展開するのかは明かされていない。

TikTokはMAU約5億人。ユーザーは音楽に合わせた短い動画を投稿または閲覧でき、その手軽さもあってか世界中で人気のアプリの1つとなっている。TikTokでは現在AIを使いユーザーにおすすめ動画などを表示していることから、新会社でこうした機能のさらなる拡充を目指すことも考えられる。また、ブロックチェーン技術はフェイク動画の対策などにもユースケースが見出されており、こちらも新会社で取り入れられる可能性は高いだろう。

盛り上がる中国のブロックチェーン市場

中国では10月末に、習近平国家主席がブロックチェーンに国を挙げて注力する意向を示している。ここ最近では、中国メディアの財経が、中国政府がデジタル人民元の試験運用を深センと蘇州の2つの地域で開始予定であることを報じている。このプロジェクトには、中国四大国有銀行や大手通信キャリアも参加する。試験運用後はさらに対象地域を拡大し、いずれは中国全土で普及することになるだろう。

その後、中国人民銀行が仮想通貨取引所の取り締まり強化を発表している。先月22日には取引所BISSが閉鎖しただけでなく、規制に違反したとして北京警察が関係者10人を逮捕した。中国政府のブロックチェーンは必要だが仮想通貨は排除したいというスタンスに、依然として変化はないようだ。