FinCENの要求にコインベースが反発
FinCEN(Financial Crimes Enforcement Network=米国財務省の金融犯罪取締ネットワーク)が先週、自己管理型ウォレット(non-custodial)の新しいトランザクションルールの提案に関するパブリックコメントの期限について、仮想通貨取引所コインベースは、60日間にコメント募集の期限を延長するよう求めていることが分かった。
NEXTMONEYが「米国財務省、仮想通貨ウォレットの規制ルールを検討」で報じた様に、FinCENは先週の終わり、セルフホストウォレットの新しい顧客確認ルールを提案した。
先週発表された新しい顧客確認ルールを提案作成の事前通知の下、集中型取引所からプライベートウォレットに仮想通貨を送信したいユーザーは、送信された金額が1つで10,000ドルを超える場合、FinCENへの報告を要求。ウォレットの所有者に関する個人情報を取引所に提供する必要がある。また、取引所は4時間で総額10,000ドルを超える取引を含む記録を提出および保存し、3,000ドルを超える取引の録保持要件を課し、匿名取引を抑制するというものだ。
提案されたルールでは、「構造化」に関する新しいルールも作成することにより、ユーザーは要件を回避するために大きなトランザクションを小さなトランザクションに分割できなくなる。一般市民は2021年1月4日までコメントまたはフィードバックを提供する必要がある。ただし、文書の別の部分では、12月23日に官報である連邦官報に規則が公開されてから15日以内にフィードバックを送信できると記載されている。
仮想通貨ウォレットを規制する新法案
この新法案は、今年11月スティーブン・ムニューシン(Steven Mnuchin)現・財務長官によって初めて提案されたものであるが、任期満了日まで残りわずかとなっており、仮想通貨取引を任期満了日までに整備したい思惑があるとみられている。
12月21日付けの、FinCENのケネス・ブランコ(Kenneth Blanco)氏宛ての書簡には、2020年の残りの営業日はほとんどなく、FinCENは通常基準から逸脱していると指摘。コインベースはレビュー期間が短縮された理由について、もっとありふれたものだと考えており、規制当局に「急いで再考する」よう求め、次のように主張している。
FinCENは、クリスマスイブや大晦日、元旦といった国民の祝日にまたがるわずか15日でコメントを提供するよう求めているが、実際には数営業日しかなく、COVID-19再急増のなか、業界でこれほど重要な変更案を急いでいるのは見たことがない。緊急事態ではなく、在職期間が終了する前に急いでルールを完成させるため、一般市民との協議を迂回しようとする外交政権だけがあります。