ビットコイン高騰の背景|北米投資家が市場牽引か

投資家の重心移動によってBTCが高騰か

ビットコインが市場最高価格を記録する舞台裏で、ビットコインの性質そのものを大きく変えてしまう可能性のある事実が判明し注目されている。ビットコインが急騰した背景には、機関投資家の一斉流入やCOVIT-19パンデミックによる経済の停滞や決済手段としての広がりなど、総合的な要因による需要増などがあるが、市場構造の変化にも注目しておきたい。

ビットコインは2009年にサトシ・ナカモト氏が発表した論文がきっかけで誕生したものだが、当NEXTMONEYでも「サトシ・ナカモトが最新調査で、ロンドン出身の可能性が浮上」の中で報じたように、出身や年齢、性別、国籍など、その一切がベールに包まれ、カリスマ性を高めているとも言える。

ビットコインは誕生以来、日本、中国、韓国の東アジア地域で投資家が主役の座を担ってきた。しかし今年、ビットコインの165%という驚異的な価格高騰において最大の勝ち組に躍り出たのは東アジア3国ではなく、北米の投資家であることが分かった。

北米でビットコインへの需要が増加

大手メディアロイターの調査したデータよると、大半が北米ユーザー向けのプラットフォームを利用し、新たな買い手の参入を意味する「週間純資金流入規模」が年初から11月半ばまでに7,000倍にまで膨らみ、これは34億ドル相当することが分かった。ロイター社は、仮想通貨取引所や欧米および東アジアの投資家に取材をしており、投資家らの重心移動が、アメリカの大口投資家によってビットコインへの引き合いを強めたと報じている。

JPモルガン、機関投資家の需要増で6,000億ドルのBTC需要を予測」や「JPモルガンアナリスト、多くの機関投資家がビットコインを購入している」でも報じた様に、北米を中心に機関投資家らの需要が突然急増。ビットコイン取引の主導権を握った事で、取引所間資産配分の再調整の必要に迫られているが、ビットコイン取引の重心移動は果たして本物なのだろうか。

Chainalysisの調査によると、ビットコイン取引の最大拠点は東アジア、北米、西ヨーロッパで、そのうち、東アジアと北米だけで全取引の約半数に達している。専門家は、今年に限ってみれば、COVIT-19パンデミックが金融市場を大きく混乱させ、重心移動について、根本的な市場構造の変化と断定するにはまだ早いと警告している。香港の仮想通貨運用会社Q9 Capitalのジェームズ・クイン(James Quinn)氏も同様に、今年の北米への流入増加について、取引の重心がアメリカに向かっている表れだとは必ずしも言えないと述べている。

仮想通貨取引は従来資産と比べ、透明性が非常に低く規制も現時点ではほとんどない。そのため、包括的データが乏しいという一面があり、市場動向については結果論的なものが多いと言える。しかし、Chainalysisのデータなどを基に市場観測することで、今年の出来高が北米が東アジアを上回っていることが見えてくる。

法令順守問題を重視する米投資家の多くがこれまで、市場の不透明さから取引に躊躇(ちゅうちょ)している一面も見られていたが、米国における業界への監督体制や厳しい規制が整いつつあり、大きく改善されてきたことから、一斉に市場へ流入している理由だとロイターは指摘している。法令順守問題を重視する米国投資家の多くは以前、仮想通貨市場の不透明性から参入を尻込みしていたものの、国内業界を巡る監督体制が改善され、魅力を感じているのではないかと述べている。

ロイターは、仮想通貨市場の中で規制されている場所と、規制なしか規制が乏しい場所の明確な選別が始まっており、大手の機関投資家は規制された取引所が提供するような予測可能性を求めていると強調し、次のように述べている。

市場の規制があることや規制対象の交換所で取引することがいかに大事かを伝えている。この点を機関投資家が念頭に置いているのは間違いない。

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