仮想通貨市場は機関投資家の影響が大きい
JPモルガンのアナリストが、Flows&Liquidity(フローと流動性)報告書を公開し、今四半期の金融機関は第3四半期よりも速いペースでビットコインを積み上げており、CTA(Commodity Trading Advisor=商品取引アドバイザー)よりも価格変動に大きな役割をもたらしている可能性があると指摘した。CoinDeskが報じた。
報告書の中で、仮想通貨市場においてビットコイン先物または先物取引を好む傾向にある機関投資家が与える影響は実際想定されているより大きいと結論づけている。この報告書は11月20日(金曜日)に公表され、ニコラス・パニギルゾグロウ(Nikolaos Panigirtzoglou)氏、ミカ・インケネン(Mika Inkenen)氏、エカンシャ・アガルワル(Ekansh Agarwal)氏の3名によって作成されたもので、機関投資家はビットコインを長期投資として見なしていると述べている。
規制が行き届きにくい環境下にある仮想貨取引所において、大半の取引所で取引の水増し報告が多発。徐々に水増し報告は改善されているものの、依然としてなくならず、投資の指標となって活用されるデータ改善は業界内外から大きく問題視されており、これらが原因で報告書の中で指摘するまでに至っている。
機関投資家グレイスケールの規模拡大と決済アプリSquareの利用増加
JPモルガンが機関投資家の影響が思っている以上に大きいと結論づけた理由として、顧客のほとんどが機関投資家のグレイスケールビットコイントラストの第4四半期に規模が拡大していることを挙げている。第3四半期に、小売顧客はモバイル決済業者であるSquare(スクエア)の決済アプリを使用し、16億ドル、約1,671億円相当のビットコインを購入していることが調査の結果分かった。これは、クレイスケール社が提供するビットコイン製品に投資された金額の約3倍に相当する。
ただし、今四半期は、Grayscale BitcoinTrustが第3四半期の3倍になっているほか、現在、Square社の顧客のビットコイン購入に関するデータは公開されていない。グレイスケールインベストメンツ社はデジタル資産管理会社である。
JPモルガンは、ビットコインがここ数週間で平均価格に戻らなかったことは、CTA(Cyber Threat Alliance=サイバー脅威アライアンス同盟)などの勢いのあるトレーダーが機関投資家に比べて市場での役割が縮小していることを示していると推測している。
2017年末から2018年初頭にかけて盛り上がったいわゆる“仮想通貨バブル”が到来した2年前とは異なっており、パニギルゾグロウ氏は今年6月にも報告書の中で機関投資家が与える影響は大きいと述べている。