ビットコイン懐疑論者、バイデン政権の財務長官に選出予定

バイデン民主党候補、財務長官に前米FRB議長を起用か

米大統領選で当選確実とされる民主党候補者ジョー・バイデン氏は、元FRB(連邦準備理事会)のジャネット・イエレン氏を財務長官に指名する予定であることをウォールストリートジャーナル誌が報じた。

イエレン氏は、2014年2月から2018年2月まで米FRBの議長を務めているが、ビットコイン懐疑論者として知られており、仮想通貨への影響が懸念されている。実際に、ビットコインの2017年バブルを目撃したイエレン氏はビットコインに対して批判的な考えを明らかにし、「使えない以外の何ものでもない」と述べている。また、議会の公聴会でイエレン氏はビットコインについて、「非常に投機的な資産」であると述べ、連邦準備制度は仮想通貨においてほとんど役割を果たしていないと続けた。

財務省は、銀行システムをカバーする国内財務を含む複数のオフィスを直接監督しており、将来の仮想通貨の方針を決定する際にある程度の影響力を持つことが考えられている。しかし、その一方で、FRB内でもデジタルドルに関する研究は進んでおり、イエレン氏自体の考え方がこれまでと同じとは限らないとの見方もある。

現時点までトランプ政権のは、スティーブン・ムニューシン財務長官が業務を遂行しており、2017年から2020年にかけて公的債務の33%の増加などを決定している。しかし、イエレン氏は新型コロナウィルスの影響で財政支出に大きな影響がある中で、ムニューシン財務長官よりも積極的な策を講じざるを得ない状況だ。

だが、CoinShares最高戦略責任者であるメルテム・デミアーズ氏は、「彼女が以前嵐を乗り越えたことがあるということを忘れてはいけません。イエレン氏が極端で斬新的な政策を実行する可能性は低いでしょう。」と過去の経緯を踏まえて分析している。

バイデン政権については、金融政策責任者として米CFTC(商品先物取引委員会)の元会長であり、ビットコイン・ブロックチェーンの推進派としても知られるゲーリー・ゲンスラー氏が起用されるとの噂もあるが、米国大統領選挙の行方を待つしかなさそうだ。