MiCA承認で30以上の国と地域に提供可能
タイラー・ウィンクルボス(Tyler Winklevoss)氏とキャメロン・ウィンクルボス(Cameron Winklevoss)氏の双子の兄弟が設立した仮想通貨取引所ジェミニ(Gemini)は、MFSA(マルタ金融サービス庁)からMiCA(仮想通貨市場規制)ライセンスの承認を得た。
BIG news! Gemini has received its MiCA license 🇪🇺
This approval marks a major step forward, allowing us to bring trusted and regulated crypto access to over 30 European countries. pic.twitter.com/5q3B4vvmiR
— Gemini (@Gemini) August 21, 2025
ビッグニュースです!ジェミニは MiCAライセンスを取得しました。
この承認は大きな前進であり、信頼性が高く規制された仮想通貨へのアクセスを 30カ国以上のヨーロッパ諸国に提供できるようになります。
単一の承認でEU加盟国とEEAを含む30以上の国と地域にサービスを展開できる体制が整い、規制遵守を前面に出した欧州戦略が一段と進む。
マルタ承認で広がるEUパスポート
ジェミニは8月21日にMiCA承認を発表し、MFSAの公式登録簿でも承認が確認でき、同社は欧州で数少ない認可済み事業者の一つとなった。
マルタでの承認により、カストディや取引を含む一連のサービスを広域で提供できる。欧州本社は2024年12月にマルタへ移転しており、今回の承認は拠点戦略を後押しする位置づけだ。ジェミニはこの節目について、安全で信頼性の高い仮想通貨サービスを拡大する基盤になると説明する。
MiCAとMiFID IIの二本柱
ジェミニは5月にMiFID II(金融商品市場指令)ライセンスも取得し、欧州の顧客にデリバティブ商品を提供できるようになった。
MiCAとMiFID IIを併せ持つことで、基本的な暗号サービスから複雑な金融商品までを扱える規制基盤が整う。欧州市場での展開に必要な法的確実性が高まり、事業の広域パスポート化が進む。
商品開発と拠点戦略の現在地
ジェミニは規制整備と並行して商品開発にも動いた。6月下旬にはアービトラム上でトークン化株式の提供を開始し、MicroStrategy(MSTR)などを象徴するトークンを24時間365日取引できるようにした。
欧州では同時期に競合の動きも活発で、クラーケンはソラナ上で、ロビンフッドはアービトラム基盤でそれぞれ類似サービスを始めている。マルタを主要拠点に据えることで、ジェミニは欧州の規制環境に合わせた商品拡充を進める構えだ。
ナスダック上場申請とブランド強化
ジェミニは直近でナスダック・グローバル・セレクト・マーケットに「GEMI」というティッカーでクラスA株の上場申請を行った。上場準備と欧州展開を同時に進めることで、規制準拠のブランドを強化しつつグローバルでの認知と資本アクセスの向上を狙う。
規制の意義と今後の見通し
欧州責任者のマーク・ジェニングス氏は、明確な規制が世界的な仮想通貨普及の基盤だと述べ、MiCA導入が欧州の先進性を示すと強調する。
MiCAは年内に仮想通貨サービスプロバイダーへ全面適用される枠組みで、投資家保護や市場の透明性を重視する。マルタではビットパンダ、Crypto.com、OKX、ZBXに続きジェミニが承認を得ており、監督面では、ESMA(欧州証券市場監督局)がMFSAの認可プロセスを点検したが、MFSAはライセンスにリスクはないと表明している。ジェミニは規制順守を軸に欧州での存在感を高め、ユーザー獲得と商品展開を加速させる見通しだ。