仮想通貨取引所ジェミニ(Gemini)、マルタでMiCA承認を獲得しEU全域で展開へ

ジェミニ取引所がマルタでMiCAライセンスを取得し、EU全域での事業展開を可能にしたことを象徴するイメージ

MiCA承認で30以上の国と地域に提供可能

タイラー・ウィンクルボス(Tyler Winklevoss)氏とキャメロン・ウィンクルボス(Cameron Winklevoss)氏の双子の兄弟が設立した仮想通貨取引所ジェミニ(Gemini)は、MFSA(マルタ金融サービス庁)からMiCA(仮想通貨市場規制)ライセンスの承認を得た

日本語訳:
ビッグニュースです!ジェミニは MiCAライセンスを取得しました。
この承認は大きな前進であり、信頼性が高く規制された仮想通貨へのアクセスを 30カ国以上のヨーロッパ諸国に提供できるようになります。

単一の承認でEU加盟国とEEAを含む30以上の国と地域にサービスを展開できる体制が整い、規制遵守を前面に出した欧州戦略が一段と進む。

マルタ承認で広がるEUパスポート

ジェミニは8月21日にMiCA承認を発表し、MFSAの公式登録簿でも承認が確認でき、同社は欧州で数少ない認可済み事業者の一つとなった。

マルタでの承認により、カストディや取引を含む一連のサービスを広域で提供できる。欧州本社は2024年12月にマルタへ移転しており、今回の承認は拠点戦略を後押しする位置づけだ。ジェミニはこの節目について、安全で信頼性の高い仮想通貨サービスを拡大する基盤になると説明する。

MiCAとMiFID IIの二本柱

ジェミニは5月にMiFID II(金融商品市場指令)ライセンスも取得し、欧州の顧客にデリバティブ商品を提供できるようになった。

MiCAとMiFID IIを併せ持つことで、基本的な暗号サービスから複雑な金融商品までを扱える規制基盤が整う。欧州市場での展開に必要な法的確実性が高まり、事業の広域パスポート化が進む。

商品開発と拠点戦略の現在地

ジェミニは規制整備と並行して商品開発にも動いた。6月下旬にはアービトラム上でトークン化株式の提供を開始し、MicroStrategy(MSTR)などを象徴するトークンを24時間365日取引できるようにした。

欧州では同時期に競合の動きも活発で、クラーケンはソラナ上で、ロビンフッドはアービトラム基盤でそれぞれ類似サービスを始めている。マルタを主要拠点に据えることで、ジェミニは欧州の規制環境に合わせた商品拡充を進める構えだ。

ナスダック上場申請とブランド強化

ジェミニは直近でナスダック・グローバル・セレクト・マーケットに「GEMI」というティッカーでクラスA株の上場申請を行った。上場準備と欧州展開を同時に進めることで、規制準拠のブランドを強化しつつグローバルでの認知と資本アクセスの向上を狙う。

規制の意義と今後の見通し

欧州責任者のマーク・ジェニングス氏は、明確な規制が世界的な仮想通貨普及の基盤だと述べ、MiCA導入が欧州の先進性を示すと強調する。

MiCAは年内に仮想通貨サービスプロバイダーへ全面適用される枠組みで、投資家保護や市場の透明性を重視する。マルタではビットパンダ、Crypto.com、OKX、ZBXに続きジェミニが承認を得ており、監督面では、ESMA(欧州証券市場監督局)がMFSAの認可プロセスを点検したが、MFSAはライセンスにリスクはないと表明している。ジェミニは規制順守を軸に欧州での存在感を高め、ユーザー獲得と商品展開を加速させる見通しだ。

 

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2022年1月から仮想通貨を触り始め、みるみるうちにNFTにのめり込んでいった。 現在はWeb3とECの二刀流で生計を立てている 得意なのは喋る事、好きな食べ物はカレー、好きなゲームは格闘ゲーム