仮想通貨取引所コインベース、証拠金取引サービスを停止
米最大手仮想通貨取引所コインベースが証拠金取引サービスを米時間11月25日14時(PT)より中止すると発表した。
コインベースは米商品先物取引委員会(CFTC)のガイダンスを引用し、11月25日の午後5時ETから既存の証拠金ポジションがすべて期限切れになり、12月に全ての商品はオフラインになると説明した。
コインベースは今年の2月からプロのトレーダーを対象とした証拠金取引を提供しており、最大レバレッジ3倍までの取引が可能となっていた。この証拠金取引とは投資家が第三者であるコインベースから資金を借りることで、実際に所有している以上の資金を取引できる取引方法のことを指す。
証拠金取引中止の理由としては、CFTCが今年3月に発行したガイダンスに関連していると説明しており、ガイダンスではデジタル資産の「デリバリー(受渡し)」に関して具体的なルールが定められている。その一方で、コインベースの証拠金取引が具体的にガイダンスのどの部分に影響しているのかなどは明らかにしておらず、いつごろ証拠金取引が再開するのかなどの目処は立っていないようだ。
コインベースの最高法務責任者であるポール・グレワル氏は「米国の顧客を保護し、安心を提供するには、証拠金貸付商品に関する明確で常識的な規制が必要であると考えています。そのため、私たちはこの目標を達成するために規制当局と緊密に協力することを予定しています。」とブログに投稿している。
コインベースは以前から、証拠金取引に関心のある投資家が基本的な概念とリスクを正しく理解できるようにオンボーディングすることを示唆しており、規制当局だけの問題ではないとの認識があるようだ。実際に証拠金取引に関しては、最大レバレッジ倍率を100倍などに設定している取引所もあり、そのリスクの高さから問題視されていたとの経緯もある。
米国ではコインベースの他に仮想通貨取引所クラーケンとビットフィネックスが、最大レバレッジ5倍の証拠金取引を提供している。