PayPalがBTCの希少性を上げた!?
ブロックチェーン関連事業へ主に投資する仮想通貨ファンドPantera Capital(パンテラ・キャピタル)社によると、仮想通貨を採用したPayPal(ペイパル)社とツイッター社CEOが率いる大手決済Square(スクエア)社が、マイニングによって新規発行されたビットコインの大部分を購入したことにより、市場でビットコイン不足を引き起こしていると指摘した。
PayPalが仮想通貨の購入を開始させた2020年10月、ビットコイン価格は大幅に上昇した。しかし、Panteraによると、この背景にある真の意味は、PayPalが仮想通貨を提供する単純な使いやすさを超えている。
Panteraは、グラフと十分に健全な理論を用いてマイニングによって新規発行されたビットコインを買収していると説明している。現在、ブロック報酬は1ブロック=6.25 BTC(約1,200万円)であり、PayPalによるビットコイン取扱い以降、新規発行されたビットコインの約7割がPayPalによって飲み込まれている。このことからも分かるように、価格が上昇したのは当然のことで、市場を希薄化させるのではなく、新しいビットコインは通常よりもはるかに低い割合で混合されていると指摘している。他の市場の力は一貫している可能性があるため、PayPalによって引き起こされたビットコイン不足は、ほぼ史上最高値の主要推進力とみられる。
Square社が新規発行されたBTCの40%を購入
Pantera社は、Square社のCashApp(キャッシュアプリ)がすでに新規発行されたビットコインの約40%を購入していると主張している。Twitterの創設者であるジャック・ドーシー(Jack Dorsey)氏率いるSquare社は、すでに仮想通貨での取引を許可している。
Pantera Capital より画像引用
大量の既存アクティブユーザーを抱えているという点で、PayPalやCashAppが一般にビットコインを入手する簡単な方法を提供することによる影響は大きい。Panteraでは、先月の推定よりCashAppがビットコインの新規採掘量の40%に相当するBTCを購入しているという結果が出たことを引用し、新たなPayPalの推定と合わせるとビットコインの新規採掘量を上回るという。
このPayPalの推定は、PayPalの仮想通貨インフラプロバイダーであるPaxosのデータを用いて算出することができる。Paxosの運営する取引所itBitでは、PayPalでの仮想通貨の購入が可能になってから取引高が急増しており、これらの取引高から推定した場合、PayPalでは既に、新規発行されたビットコインの70%に相当するほどの加熱ぶりを見せている。
セキュリティの危険性
PayPalとPayPal顧客によってビットコインの扱いやすさは爆発的に拡大しているものの、いくつかの批判が噴出している。その代表的な批判の一つが、PayPalの所有者は秘密鍵を保持していないため、理論的には資金のセキュリティを危険にさらし、PayPalがその間にウォレットに保持されている仮想通貨で何をしているのか、誰も分からないと指摘する声も上がっている。
じっくり加味するとこの批判は顧客にとって大切な資産がどうなるのか、大きな不安要素となるはずだが、このような批判があるにもかかわらず、PayPalに仮想通貨発行サービスを提供するPaxos(パクソス)は、活動が大幅に増加している。前途のように、Cash AppとPayPalの間では、ビットコインは新しいビットコインがマイニングされるよりも速い速度で購入されているとPanteraは指摘しており、これによってビットコインの希少性がさらに高まり、価格が上昇している。
Panteraによると、多くの強気の要因はすでにメディアやSNSで報じられているが、BTCの成長は減速の兆候を示していない。これらのセキュリティの危険性がある反面、Pantera Capital社が発行したレポートでは、PayPalのビットコインへの進出は最近の強気の反発に不可欠だったと述べている。
ビットコインの価格の高騰はPayPalによるものだが、価格を押し上げているのは、PayPalでビットコインを購入するオプションだけではない。
強気予想が乱発される今の予測とは?
先週、ビットコイン価格は14%以上成長した背景にはたくさんの理論があり、それがどこへ向かうのかについて、多くの予測が著名アナリストやメディアなどで拡散されている。
シティバンクのマネージャーは、ビットコインが318,000ドルを超える可能性があると述べ、仮想通貨投資会社ギャラクシー・デジタル(Galaxy Digital)のマイク・ノボクラッツ(Mike Novogratz)CEO(最高経営責任者)は、より現実的な65,000ドルと予測している。ノボクラッツ氏は、ネットワーク効果により、機関および企業のFOMO(fear of missing out=取り残すもしくは見逃すことへの恐れ)はまだ始まったばかりかもしれないと述べている。