中国銀行、ブロックチェーン上で金融債券の発行へ

中国銀行、ブロックチェーン上で金融債券の発行へ

2019年12月5日、中国の4大商業貸付機関(商業銀行)である中国銀行(BOC)が、中国の中小企業ローン向けに200億元(約3,084億円)の特別金融債を発行したことを、中国国営メディア新華社通信が報じた。調達された資金は中小企業(SME)への融資に使用されるが、今回発行された金融債は、独立して開発されたプライベートブロックチェーン債発行システムが使用されたという。固定金利は2年間で3.25%となる。

中国銀行は今年から、銀行システムの利用が難しいとされていた中小企業向けの金融サービスの利用を増やす目的で、インクルーシブファイナンスを強化していた。日本では普通に銀行を利用できるためピンと来ない方も多いだろうが、海外ではよくあることだ。

発表によれば、中国銀行では約41万の中小企業へ融資を行っており、融資残高は今年9月末で4,404億元(約6兆7733億‬円)、昨年末から35.36%増加している。

インクルーシブファイナンスとは

インクルーシブ・ビジネスの一環だが、このビジネスの特徴は主に発展途上国における貧困層をターゲットにしている点にある。アフリカが経済成長最後のフロンティアとされるため、ビジネス展開を狙っている企業も多い。

貧困層をターゲットにしたインクルーシブファイナンスでは、低コストでサービス展開できることからブロックチェーンの利用が注目されている。

なぜ中小企業への融資に力を注ぐのか

最大の理由として、習近平国家主席が掲げる「中国製造2025」の目標実現が挙げられる。低コストでビジネスに利用できるブロックチェーンを活用して、中小企業にも頑張ってもらおうという考えだ。これにより経済産業のさらなる発展が期待できる。

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2019.12.05

世界銀行による支援

発表があった同日、世界銀行が中国に対して2025年6月まで低金利ローンで毎年10億ドル(約1,086億‬円)から15億ドル(約1,629億‬円)を支援すると発表したことを、アメリカメディアCNBCが報じている

国際開発金融機関である世界銀行は発展途上政府に対して融資や助言を行うが、この支援を受けるには中国は裕福すぎるとアメリカが猛反発するも採択されてしまった。これにはトランプ大統領も「中国にはたくさんのお金がある」と世界銀行に支援を止めるようツイッターで訴えたが、すでに200億元という多額の融資を発表してしまった今では、中国を止めることはできないだろう。