PayPal がついに仮想通貨サービスを開始
米国・カリフォルニアに本拠を構える大手決済サービスを展開するPayPal (ペイパル)が、全米の加盟店向け仮想通貨決済サービスであるCheckout With Cryptoを開始しすると発表。今後数カ月以内に3億人以上のユーザーにサービスを拡大することを計画しているとのこと。
Reuters(ロイター)が報道した内容によると、支払い処理業者のPayPalは、仮想通貨サービスの拡張を発表。今後米国ユーザーは、ビットコイン(Bitcoin/BTC)、イーサリアム(Ethereum/ETH)、ライトコイン(Litecoin/LTC)、ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash/BCH)の資金を利用し、世界中の何百万もの加盟店で支払えるようになる。PayPalのダン・シュルマン(Dan Schulman)CEO(最高経営責任者)はロイターの取材に対し、次のように語っている。
PayPalウォレット内でクレジットカードやデビットカードと同じように仮想通貨をシームレスに使用できるのはこれが初めてです。私たちは、仮想通貨が主に購入、保有、または販売する資産クラスから、現実の世界で何百万もの商人と取引を行うための合法的な資金源になる移行点だと考えています。
Checkout With Cryptoサービスにより、プラットフォーム仮想通貨を保持している人は、PayPalのすべてのマーチャント※商人と一緒に仮想通貨が利用できる。
ただし、PayPalは実際の支払いのために仮想通貨を法定紙幣に変換して使用するとのことだ。
PayPalによるビットコインの採用
PayPalは、決済のための仮想通貨利用手数料は顧客に請求しないとのこと。
ただし、手数料ではなく、コンバージョンスプレッドが発生し、これは仮想通貨を市場よりも低いレートで交換し、その差額がPayPalの収益になるのではないかとみられており、この仕組みは、組み込みのコンバージョンを備えた仮想通貨ウォレットアプリの一般的な手法である。
PayPalは2020年10月にユーザーがプラットフォーム上で仮想通貨を購入し、保持できるようにすることを発表している。この発表前後には、NEXTMONEYの特集記事「米大手決済ペイパル、Paxos提携で新たな仮想通貨サービスを検討か」、「米ペイパル、ビットコイン含む4つの仮想通貨で決済可能に」、「PayPal仮想通貨サービスを2021年にグローバル化、CBDCのサポートも」でも一連の流れを報じている。当時、シュルマンCEOは声明の中で、次のように語っていた。
デジタル形式の通貨への移行は避けられない。
PayPalが仮想通貨決済を採用したことは、歴史的に仮想通貨を避けてきた同社にとって重要な転換点だと言える。一部の米国ユーザーは、2020年9月以降、Paypalを使用して仮想通貨を購入および保存できるが、すべての仮想通貨支持者がPayPalの仮想通貨決済への移行に手放しで賛成したわけではない。というのも、プラットフォームの利用規約には、「アカウントの仮想通貨をPayPalの内外で他のアカウントに転送することはできません」と記載されており、PayPalが仮想通貨の「基本的な信条」を無視していると主張するユーザーもいるのが現実だ。