仮想通貨取引所フォビ子会社、ネバダ州でライセンス取得=米国市場に復帰へ
世界有数の仮想通貨取引所の運営母体であるHuobi Group(フォビグループ)の創設者兼CEOのLeon Li氏が2018年にリバーステイクオーバーによって買収した香港を拠点とする上場企業で、同社の完全子会社であるHuobi TrustCompanyの信託ライセンスが、ネバダ州金融機関部門によって承認されたことが香港証券取引所へ提出したファイルによって明らかになった。CoinDeskが報じた。
当社の取締役会(以下「取締役会」といいます。)は、このたび、米国ネバダ州法人であり、当社の間接的な完全子会社であるフォビ・トラスト・カンパニー(以下「フォビトラスト」といいます。)が、米国ネバダ州事業産業省金融機関局より、ネバダ州改正法第669条及びこれに基づく規則・規制の範囲内で信託会社業務を行うための信託会社ライセンスを発行されましたので、お知らせいたします。
この承認されたライセンスにより、同社は2021年の早い段階で米国市場におけるカストディおよび、コンプライアンスサービスを提供が可能になる。今回のライセンス承認に関する一連の動きは、同社が規制された金融商品やサービスを米国で開始するための活動である。
フォビの米国撤退
フォビグループに関連する別法人のHuobi US(HBUS)は2019年11月、規制上の懸念を理由として米国ユーザーを対象に同プラットフォーム上の口座を停止することを発表している。同社のサービス提供の停止をする際、米国からの離脱は事業を米国の法律や規制に準拠させる次のステップになることを意味していると述べており、今回のライセンス承認によってそれが実現した形になる。
フォビグループは米国ユーザーへのサービス停止後、様々な方面から米国への再参入を目指してきた。今年4月には、フォビグループのグローバルヘッドであるCiara Sun氏は、取引所が米国で完全に規制された証券企業と提携し、米国における事業展開をする可能性があると述べている。
またCoinDeskによると、ネバダ州に拠点を置くHuobi Trust Companyは、香港のHSBCで7年間に渡って契約プロジェクト責任者兼ウェルスソリューションの責任者を努めたSimon Collier氏が、チーフとラストオフィサーを務めることになるという。また元Prime Trustで最高コンプライアンス責任者を務めたAja Heise氏が、信託会社のコンプライアンスプログラムを主導する予定だ。同氏は、デジタル資産プロジェクト向けの銀行秘密法(BSA)およびマネーロンダリング防止(AML)プログラムの設計の経験を有している。Huobi Techは今回のライセンス取得について、次のように述べている。
今回の発表は、同社の認知度の高いブランドと製品をグローバルに拡大するという野心的な計画と、ブロックチェーン領域で規制対象となる金融商品やサービスのスイートを確立するための継続的な取り組みにおいて、重要な一歩となります。
現在、米国における仮想通貨関連サービスの提供は困難を極め、特に仮想通貨と法定通貨の取引サービスを提供する事業者は、米国の州規制当局からライセンスを取得することが難しい状況にある。しかし、HUBSは50州中43州でライセンスを取得していたが、HBUSのウェブサイトの古いFAQページでは、取引所が仮想通貨 対 法定通貨ではなく、仮想通貨 対 仮想通貨の取引のみ許可されていた。
また世界最大の取引量を誇る仮想通貨取引所バイナンスも昨年6月、取引所の利用規約とKYC(本人確認)の手続きに従うことが確認できるまで、米国ユーザーにサービスを提供することができないことを説明していた。その後同取引所は、MSBとして登録されていたカリフォルニア州を拠点とする仮想通貨関連企業BAM Trading Servicesと提携し、米国へサービスを展開した。サービスを提供した際、バイナンスUSは、ニューヨーク、テキサス、フロリダを含む13の州で取引サービスを提供しておらず、フォビも同様に、段階的な米国でのサービス展開が予想される。