米NY裁判官、テレグラムが米国内外にトークン配布しない決定を下す
4月1日ニューヨーク州連邦裁判所は、米国および外国のすべての事業体に対し、メッセンジャーサービスのテレグラムの独自仮想通貨グラムを配布することを禁止するとの判断を下した。この裁判について、テレグラム側が3月24日の仮差止命令の範囲を明確化するよう要請しており、4月1日米NYの裁判所が米国以外でのICO参加者にグラムを配布することを禁止する判決を示した。
テレグラムは2018年に過去2番目の規模にあたるICOを実施しており、2018年1月から約17億ドル(1890億円)のトークンを販売していたが、米証券取引委員会(SEC)は2019年10月にこのICOは未登録の証券販売で、証券法違反だとしてテレグラムを告発していた。
裁判所の主張によると、米国の投資家がグラムトークンにアクセスすることを回避するセーフガードを導入できるとのテレグラムの主張を認めず、同社の2018年のグラム購入合意をどのように合法に修正するのか示すことができなかったと判断したようだ。さらに、裁判所は「TONブロックチェーンは、グラムを購入または販売する者の匿名性を与える意図で構築されている」とし、一部のICO参加者のグラムへのアクセスへの制限が、本当に可能であるのか判断しかねる部分があると指摘している。
テレグラムが販売した17億ドルのトークンの内、約12.7億ドル分は、海外の投資家からのものであるため、今回の判決でグラムが米国外の投資家への配布が禁止されたことで今後の保証などが問題になってくるだろう。ICOについてテレグラムのみならずこれまで多くのトークンが問題になっているが、特にグラムは調達金額が大きいため、今後のテレグラム側の対応に注目していきたい。