中国の金融監視機関、仮想通貨投資におけるリスクを警告
中国の中央銀行に属する自主規制機関であるNIFA(NATIONAL INTERNET FINANCE ASSOCIATION OF CHINA)は、規制当局の取り締まりを逃れるため一部の仮想通貨取引所が海外に拠点を設置し、取引量を偽装していると、独自のデータ分析を発表した。
NIFAは、ロボットプログラミングにより取引量を増やしたりデータを改ざんすることで、まるで仮想通貨取引市場が「ブーム」であるかのような錯覚を引き起こしていると指摘し、酷い場合は他の取引所の取引データを完全にコピーしていると述べた。
「いくつかのプラットフォームの取引データのサンプル分析を通じ、40種類以上の仮想通貨取引為替レートが100%以上、70種類以上の為替レートが50%以上水増しされている。」
また一部の取引プラットフォームにおいて、「仮想通貨は金や銀を超えた安全資産」と投機を煽るような表現をしているが、仮想通貨市場が暴落した事により、投資家に大きな打撃をもたらしたと指摘する。
様々な手法でユーザーの資産を徴収する
取引量を偽装するなどの手段でユーザーを取引所に惹きつけた後、様々な手法でユーザーの資産を徴収するとNIFAは言う。
仮想通貨市場の複雑な価格設定を逆手に取り、初心者などに高値で仮想通貨を売りつけ、安く買い取る手法や、プラットフォームが様々なテクニカル手段を用いユーザーが実際の取引状況を把握できなくする手法。また、プラットフォームがシステムの故障を演出する事で、システムを停止したり資産を凍結し、高いレバレッジ取引などをしている投資家がポジションを決済できず大きな損害を意図的に引き起こしているという。
財産的損害の回復は困難
これらのプラットフォームは海外のサーバーを利用し、ドメイン名も頻繁に変更するなど規制当局の追跡を忌避している。そのため登録してある事業所やエリアも異なることが多く、万が一損害を抱えても損害を回復することが非常に困難だ。そのためNIFAは、国内の法律や規制を厳守し、仮想通貨取引やそれに関連する投機行為に参加しないことを注意喚起している。