ビットコインマイナーが半減期を前に保有株を売却する理由

半減期前の戦略転換でビットコインマイナーが保有株を売却

ビットコイン(Bitcoin/BTC)マイナーが半減期に先立ち、保有する株を売却している事が新たに分かった。

調査データによると、ビットコインマイナーが戦略的にビットコイン保有量を減らしていることを示唆。2020年の半減期以前に観察された蓄積傾向とは異なり、マイナーは上昇市場に売りを入れているとみられる。世界の主要仮想通貨マーケットメイカーのウィンターミュート(Wintermute)のアナリストは、この移行の目的は、機器のアップグレードに資金を提供し、2024年4月20日(土曜日)頃に予定されている半減期に直面した運営の持続可能性を確保することと示唆している。

仮想通貨データ分析サイトCoinMetricsの調査データによると、マイナーが保有するビットコイン残高が179万4,000BTCまで減少し、2021年初頭以来の最低水準となっている。11月以来の2万7,000BTCの減少は、ブロックごとのマイニング報酬が半分になる半減期を前に一貫して売りが出る可能性を示唆している。

利益確定と戦略的アップグレード

ビットコインの新高値への目覚ましい上昇は、マイナーが高い価格で利益を確保しようとする動機となっている可能性がある。

ウィンターミュートは、これらの資金がマイニング設備のアップグレードに使用され、半減期後の報酬減少状況に合わせた運用が可能になると主張。今回の下落は利益確定と業務改善のための戦略的な動きのようだと指摘している。

ハッシュレート(※ビットコインネットワーク上の総計算能力)の上昇は、機器のアップグレード理論を裏付けている。ハッシュレートの伸びは前回の半減期を上回っており、マイナーが将来の収益性への投資をしていることを示唆。ウィンターミュートは、これがビットコインマイニングの長期的な持続可能性に対する自信を反映していると考えているとのことだ。

ビットコインマイナー残高の減少は、過去の半減期サイクルからの脱却を示しており、マイナーは、強気市場に売り込むことで、報酬が減らされる状況において長期的な競争力を確保することを狙っている可能性がある。また、ハッシュレートの増加は、マイニングコミュニティ内のこの前向きな楽観主義を強調していると言える。