日銀・黒田総裁、「ステーブルコインは金融システムに影響を与える可能性がある」

日銀・黒田総裁、「ステーブルコインは金融システムに影響を与える可能性がある」

日本銀行の黒田晴彦総裁は今月19日、「ステーブルコインは金融システムに影響を与える可能性がある」と述べた。加えて、現時点では日本銀行がデジタル通貨を発行する計画はないものの、将来的には必要性が高まる可能性もあるとして研究を重ねていることを明らかにしている。

また、AMLなどのリスク管理、ガバナンスが整っていない状態でステーブルコインを発行すべきではないとも見解を示している。黒田総裁のコメントは以下になる。

「世界的にも巨大な顧客基盤を持つ企業がステーブルコインを発行することは、金融システムや金融政策にも大きな影響を及ぼす可能性がある。」

7月には雨宮副総裁がステーブルコイン発行を否定

今年の7月には、日本銀行の雨宮副総裁がロイター通信のイベントにてステーブルコインについて言及している。この時には、ステーブルコインを発行する計画は、他国と同様にないとコメントした。また、中央銀行がデジタル通貨を発行することは、キャッシュレス決済の促進や災害や金融危機などの対策にはなるものの、実体経済に悪い影響を及ぼす可能性があると述べている。

そのいっぽうで、ステーブルコインに関して調査研究は継続していく方針を示している。黒田総裁と雨宮副総裁の発言を踏まえても、調査研究は行うが発行計画はないというのが日銀のスタンスのようだ。

日銀・黒田総裁、仮想通貨発行について否定的な見解を示す

2019.10.21

リブラの影響は大きい

ステーブルコインの発行がこれほどまでに関心を集めているのは、フェイスブックのリブラの影響が大きい。これまで、どの企業がステーブルコインを発行しても、これほどまでに注目を集めたことはなかった。米下院金融委員会のウォーターズ委員長の懸念の声やリブラ参加企業へ米議員が圧力をかけたことは、世界的な企業がステーブルコインを発行することが、金融システムに大きな影響を与える可能性があることを示している。

中国政府がブロックチェーンに注力する方針を明確にしたことも、リブラの影響が少なからずあるだろう。他国に先駆けて、中国はデジタル通貨発行を成し遂げる可能性がある。そうなると、日本はもちろん、金融システムのイノベーションにおいてリーダーであった米国は置いていかれてしまうだろう。この点に関しては、フェイスブックのザッカーバーグCEOも先日の公聴会で指摘している。

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