日銀・黒田総裁、仮想通貨発行について否定的な見解を示す
日銀の黒田総裁は18日、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議後に開かれた記者会見にて、日銀が仮想通貨を発行することについて否定的な見解を示したことが、ロイター通信の報道によって明らかになった。
黒田総裁は記者会見の質問に対して、現時点ではG20での議題にもなっておらず、民間ベースでの決済および、送金に段階の話し合いしか行われていないと以下のように説明した。
「G20で具体的に議論になっているわけではない。あくまでも民間ベースのクロスボーダーの資金決済、送金についてもっと効率的にできないか、国際決済銀行(BIS)を中心に検討してる段階にすぎない。」
日銀の仮想通貨に対する考え
かねてから日銀の関係者は、仮想通貨に関する報道に対して否定的な見解を示している。今年7月には、日銀の雨宮正佳副総裁が東京都内で開催されたロイター通信のイベントに登壇し、中央銀行によるデジタル通貨発行について言及した。雨宮副総裁は講演の中で、「海外の中央銀行と同様に現段階ではデジタル通貨を発行する計画はないが、調査研究は行っていく」と述べている。
日本国内における仮想通貨に対する姿勢は、発行や決済利用については保守的な考えを貫いている状況だ。しかし、規制については世界トップクラスの法案や体制を整えており、今後、どのような方向で仮想通貨やブロックチェーンと関係性を築いて行くのか注目である。