仮想通貨買い物マッチングサイトAvacusを行政処分
日本の金融庁・東海財務局長は12月24日(木曜日)付けで、Avacus株式会社(アバカス/名古屋市中区、松田航代表取締役)に対し、行政処分を行ったことが金融庁公式サイトで発表された。
Avacusは、2019年4月にAmazonの商品を、ビットコイン(Bitcoin/BTC)、ビットコインキャッシュ(BitcoinCash/BCH)、ダイステーブルコイン(Dai/DAI)などの仮想通貨を使って割引購入したり、仕事の受発注をしたり、仮想通貨のみで経済活動ができるサービスを展開。法人向けソリューションとしてAvacus Payを使った独自トークン(VACUS)決済などにも個別で応じるなど、仮想通貨だけで買い物から仕事までできる画期的なCtoC(※1)サービスを実施し、注目を集めていた。
(※1)CtoC(Consumer to Consumer)とは、Consumer(一般消費者)とConsumer、つまり一般消費者同士で行う取引を指す。
金融庁の発表詳細
金融庁の発表によると、資金決済に関する法律(平成21年法律第59号。附則第2条に基づく暗号資産交換業者)に対し、第63条の15第1項に基づく報告徴収命令に違反する行為、犯罪による収益の移転防止に関する法律第4条および第6条に違反する行為。およびマネー・ローンダリング、テロ資金供与対策に関するガイドラインに係る不十分な措置等が認められたことで行政処分を受けた。
同社は法第63 条の15 第1項の規定に基づく報告徴収命令を令和2年8月7日付と同年11月27日付等に受けていたが、期限までに報告を行っていないほか、犯罪による収益の移転防止に関する法律(平成19年法律第22号第4条)で定められている取引時確認を行っていなかった。
金融庁は経営管理態勢、マネーローンダリング(資金洗浄)およびテロ資金供与に係るリスク管理態勢に問題が認められたため、24日付で、法第63条の16の規定に基づいて業務改善命令をAvacus社に対して発出した。なお、金融庁が発出した業務改善命令は以下の通りだ
(1) 適正かつ確実な業務運営を確保するための以下の対応
ⅰ 経営管理態勢の構築
ⅱ マネー・ローンダリング及びテロ資金供与に係るリスク管理態勢の構築
(2) 上記(1)に関する業務改善計画を令和3年1月25日までに、書面で提出
(3) 業務改善計画の実施完了までの間、1か月毎の進捗及び実施状況を翌月10日までに、書面で報告
Avacusでは大手通信販売サイトAmazonの欲しいものリスト機能を使って仮想通貨を入手したい人と、仮想通貨で買い物をしたい人をマッチングプラットフォームを運営。Amazonのほかにも、Askでは仕事の対価を仮想通貨で受け取ったり支払うことができ、Bazaarでは手持ちの品や自作品の販売・購入ができる。さらに、PayではSNSでメッセージを送る感覚で送金・請求が可能だ。
2020年5月には仮想通貨交換業者の届出を行なった事が発表され、現在はみなし業者としてサービスを展開していた。なお、Avacusは24日付ブログ内で声明を発表。今回の業務改善命令によるサービス停止等はなく、ユーザー様に対してShop、Ask、Bazaar、Payで通常通り利用できると述べている。