仮想通貨取引所ビットポイントジャパン、台湾支社から損害賠償請求
今月14日、国内取引所ビットポイント運営元の親会社である株式会社リミックスポイントは、子会社にあたるビットポイントジャパンがビットポイント台湾から訴訟を起こされ、損害賠償請求されていることを発表した。ビットポイント台湾が請求している金額は、10億2419万8214円となっている。
リミックスポイントの発表によると、ビットポイント台湾側は7月のハッキングによる流出で、ユーザーの資産に不足が生じていると主張している。また、ビットポイントジャパンとの仮想通貨取引の精算額においても、台湾側が誤りがあったと主張しているとして、損害賠償請求された経緯を報告した。リミックスポイントはこの損害賠償請求について、台湾側の主張には正当な根拠がないと指摘しており、訴訟手続きにおいて自社の正当性を示していくとしている。
ビットポイント台湾のCEOである郭雅寧(グオ・ヤーニン)氏は、ハッキング事件後に「この中で、顧客への補償が行われなければ、訴訟を起こす」とコメントをしていた。
リミックスポイントは約37億円の特別損失を計上
今月15日、リミックスポイントは3月期第2四半期(19年4月から9月)の決算を発表した。7月の仮想通貨流出事件によって、特別損失を約37億円計上したことも明らかとなっている。流出相当分の現物の調達や再発防止策の実施などで、結果的に仮想通貨流出分の約30億円よりさらに多くの費用がかかったことになる。ビットポイント台湾側の損害賠償請求が通ることになれば、さらに大きな負担を強いられることになるだろう。
ハッキング以前、ビットポイントは外部の格付け機関から証券会社と同じ水準のセキュリティを備えていると評価を受けていた。また、2018年6月22日には、金融庁から業務改善命令を受けていたが、2019年6月28日には継続的な報告義務も解除となった。順調に事業を進めていたように見えたにも関わらず、ハッキング事件はほどなくして起きてしまった。
仮想通貨はこれまでの金融サービスと少し性質が異なる。外部からの不正アクセスで、直接的に資産を盗まれてしまうのは、他の金融商品にはない大きなリスクといえる。従来とは別の角度から、セキュリティや監査を行う必要があるのかもしれない。