三井物産HDとNTTCom、サプライチェーンDXの共同実験を実施

三井物産HDとNTTCom、サプライチェーンDXの共同実験を実施

三井物産流通ホールディングス(以下、MRH)とNTTコミュニケーションズ(以下、NTTCom)は、先月の7月に三井物産およびNTTと共に締結された「ブロックチェーンおよびIoT技術などの活用によるサプライチェーンDXに関する共同実験協定書」に合意し、今秋より同実験を行う事を今月の17日に発表した。

これによりMRHは、小売・外食事業者向け食品・日用品雑貨の中間流通機能を担う事業会社4社を総合的に管理する企業として、2020年6月1日に設立した企業であり、流通事業会社各社の知見や資産を横断的に活用できる。

三井物産ホールディングスとNTTグループは2019年からグループ企業内で「リアルタイムデータを活用したフードロス削減」に取り組んでいる。サプライチェーン流通で発生する需要に対する供給のバランスが噛み合わない事による、大量廃棄や不良在庫問題など、バリューチェーン間の情報をサプライチェーン全体で連携させる事に取り組んでいるようだ。

今回の実証実験において両社が取り組む領域は以下の通りだ。

  • MRH:流通分野での需給管理ノウハウと実証実験の場として自社流通網の提供
  • NTTCom:ブロックチェーン活用技術(※トークン追跡効率化技術)を活用した管理手法の提供

今回の取り組みはEthereum(イーサリアム)ベースのプラットフォームにNTT研究所が開発したブロックチェーン技術とRFIDなどのIoT端末を駆使し、物資の流通をトークンとしてサプライチェーン情報基盤に記録。記録された情報はNTTComの企業間取引データプラットフォーム(仮称)に連携され、複数企業間の請求データをデジタル化した上で各サプライヤーや納入先の企業に送付される仕組みだ。

本実証実験のキーポイントはブロックチェーン事業によって生み出された付加価値を定量的に可視化できるか、DXに関する具体的な活用方法を確立することができるか。の点である。得られた成果は今後のサプライチェーンDX化を推進するうえで多くの事業開発領域で活用されることに期待したい。

(※)トークンを商品等の来歴の追跡に適したデータ構造として設計することで、追跡処理の時間を最大100倍程度高速化するNTT研究所が開発した技術。

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外資系の医療機器、エネルギー関係の企業で5年間営業として従事した後、今後は個人にスポットが当たる時代だと考え、ブロックチェーンの持つトークンエコノミクスの世界観に感銘を受け、少しでも情報源として役に立てるよう日々発信しています。 現在は 実際にコードを書いたり、 イベントに足を運ぶなど精力的に 活動を行ない情報を発信しています。