米国大手スーパーマーケットが食の安全向上のためブロックチェーン技術の導入を発表

アメリカの大手スーパーマーケットチェーンであるウォルマート(Walmart)とサムズクラブ(Sam’s Club)は、レタスの供給者に対して一年以内にブロックチェーン技術を事業に取り入れる事を求めた。

ウォルマートは1969年に創業された米国アーカンソー州を拠点とするスーパーマーケットチェーンで、売上額では世界最大の企業である。ウォールマートは世界15ヶ国で展開されており、日本国内においては西友を子会社しており、今年楽天とも新たに提携を結んでいる。

またサムズクラブはウォルマートが1983年に設立した会員制のスーパーマーケットである。全米に約5000万人もの会員数がおり、米国のみでなく、メキシコやブラジルといった諸外国でも事業展開を行っている。

両社は最近レタスに発生した大腸菌が200人以上に健康被害を与えた事や、卵や朝食 用シリアルからサルモネラ菌発見されている事を重要視している。ブロックチェーンを使い情報を電子的に保管する事により、供給者は理論上どの農場が影響を与えていているかを把握し、レストランや消費者への供給をすぐに止める事が出来ると言う。
ウォルマートは「昨今の一歩進んでは一歩下がる食品のトレーサビリティーは21世紀の現在には時代遅れであるとし、我々が協力し合えばより良いサービスを提供する事が出来る。」と供給者への手紙の中で語った。
過去にウォルマートが感染したエリアを特定し食品を売り場から取り除く事が出来た時でさえ、大量の レタスが市場から消え、消費者からの信頼も食品の生産された地域関係なく失うことになった。
しかしブロックチェーンを利用すれば、すべての供給者は今まで数日かかっていた彼らの製品を生産地まで追跡する工程を数秒で行えるようになる。ウォルマートはこのシステムを2019年9月30日までに開始する予定だと述べた。
ウォルマートはIBMのFood Trust blockchain(フードトラストブロックチェーン)に技術指導しており、その技術を使い18ヶ月の間マンゴーから鶏肉に至るまで全ての食品に関して追跡テストを行った。結果ウォルマートの食品売り場から生産地までの追跡にかかる時間を大きく短縮することに成功したという。