ライトコイン(Litecoin/LTC)の特徴・詳細とは?

2011年開発ということで、もはや老舗のアルトコインであるLitecoin(ライトコイン/LTC)。

日本ではあまり話題になりませんが、中国やアメリカなどでは頻繁に取引されている人気の仮想通貨です。時価総額ランキングでも2018年10月現在7位と、存在感のあるポジションをキープしています。

ビットコインが金と例えるならば、ライトコインは銀とされる仮想通貨です。仮想通貨が少額で高速な決済(マイクロペイメント)が実現できる世の中をめざして地道に邁進するさまについて、詳しく解説していきます。

ライトコイン(Litecoin/LTC)の最新価格・相場・チャート・評価


ライトコイン(Litecoin/LTC)の特徴・詳細とは?

LTCはどのようにして誕生したのか?

LTC(ライトコイン)は、中国人でマサチューセッツ工科大学卒業のCharles Lee(チャーリー・リー)氏がビットコインを基にして開発したコインです。

Charles Lee(チャーリー・リー)氏は、マサチューセッツ工科大学の博士号を取得、その大手検索エンジンを運営しているGoogle社でエンジニアとして6年勤務していました。また、日本との関係性の深い取引所Huobi(フォビ)に並ぶ中国三大取引所の一角である取引所BTCチャイナのCEO「ボビー・リー」が実の兄だという仮想通貨に深いつながりがある人物なのです。

そして中国の著名人が発行したライトコインは、仮想通貨ユーザーや投資家の中でも中国のユーザーに最も支持されています。

ビットコインと基本的な思想等は同じですが、ビットコインの弱点であるトランザクション速度を補い、少額の決済の際に有利になるよう目指して開発された仮想通貨がライトコインです

また、ビットコインの総発行枚数が2100万枚とされていますが、ライトコインはその4倍の8400万枚発行されています。さらに、ビットコインは多くの投資家やユーザーがログインIDやパスワードの紛失をしたがために、実際に全てを使うことは難しい状態なのです。

仮想通貨の始まりであり巨大な市場規模と流通量を持つビットコインが「金」と例えるならば、ライトコインはビットコインの支払いに関する弱点部分を補強することで支える、仮想通貨界の「銀」のような位置づけに棲み分けしているというとされています。

ビットコインを決済向けに改良した仮想通貨

前述のとおりライトコインとビットコインの大きな違いは、トランザクション速度を改良した点。また、総発行枚数がビットコインの4倍と通貨としての流通に十分な枚数を確保している点です。

そして決済通貨として、最も重要な項目としてトランザクション処理速度が挙げられます。

ビットコインのトランザクション速度は、およそ10分(トランザクションが詰まってしまいさらに時間がかかることもあります)、それに比べライトコインのトランザクションの間隔は、およそ2分半です。

トランザクションとは、マイニングの際の取引承認処理にかかる時間のことですが、迅速な取引や決済が求められる世界市場では、この時間が短いことが仮想通貨の利便性につながります。ビットコインのトランザクション速度は悠長すぎるということは、ビットコインの欠点としてしばしば挙げられる点です。

このビットコインの弱点をカバーできるように、ライトコインではビットコインの4分の1という非常に早いトランザクション処理速度になるよう設計されているのです。

アトミックスワップへの志向、マイニングの有利さ

ライトコインはビットコインの代替コインをめざして開発されたため、ビットコインとの交換性を高める仕掛けを持っています。それが昨今、強く注目を集めている「アトミックスワップ」です。

アトミックスワップとは、仮想通貨取引所などの第三者を介さず、仮想通貨の交換ができる仕組みのことです。

このアトミックスワップを活用することで第三者に「GOX:持ち逃げ」される心配や、「手数料の削減」、「送金作業のカット」に繋がります。また、ライトコインのみのトレードでは無く、種類の違うコインでも取引も出来るのです。

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そして、アトミックスワップが注目されている理由は、仮想通貨取引所へのハッキング事件の多発です。取引所を信用して仮想通貨を預けてもハッカーに盗まれるリスクがあることが表面化している状況なので、第三者の介入なしにコインの取引を行う方法として今後の発展が期待されています。

ライトコインは、アトミックスワップへの早期参入を果たしたことで、ビットコインの補佐役としての地位を確保してきたとも言えるのかもしれません。

また、ライトコインは他の仮想通貨と比べてマイニングの競争率が低く、Script方式の暗号化技術を採用し、ブロックサイズが小さいことから個人の持つPCのCPUでも一定の収益があげられると言われています。

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ライトコイン(Litecoin/LTC)の将来性は?

ライトコインでの支払いを可能にするLitePayとは?

ライトコインの将来性を占う上でのポイントは、決済における「少額」と「高速」でしょう。この2点に関して、ライトコインはかなり力を入れています。どのような施策が行われているか、見ていきましょう。

まず第一に、ライトコインでは、LitePay(ライトペイ)というライトコイン専用決済サービスがリリースされています。

LitePayは、決済の支払いから銀行への入金までを一気通貫で行うことができる仕組みです。決済と同時にレートを反映させるため、相場の価格変動の影響を受けずに法定通貨(ドルやユーロ)とライトコインを、「高速」で変換したり送金することができます。

クレジットカードと比べると手数料も低く抑えることができる点も大きなメリットです。手数料が低いほど「少額」の決済が可能になります。

ライトニングネットワークの実験に成功

第二に、ライトコインはライトニングネットワークの実験に成功しています。

ライトニングネットワークとは、「ライトニングネットワーク」と呼ばれるネットワーク内で取引に関わるユーザ間の取引承認過程を省略して、コインの移動を「高速」化する仕組みです。

ライトニングネットワークが実現すれば、高速だけでなく高頻度な取引が可能になるため、より少額でより多彩なデバイスでのブロックチェーン技術利用が可能になります。ライトコインはその世界を視野に入れて開発されています。

Segwit(セグウィット)導入

第三に、ライトコインはトランザクション速度を向上するためにSegwit(セグウィット)を導入しています。

セグウィットとは、取引データの電子署名部分を別処理することでトランザクションを圧縮する技術のことです。スケーラビリティ問題の解決策として注目を集めている技術ですが、ブロックチェーンと呼ばれる仮想通貨の基礎となっている技術のブロックデータを圧縮し、取引の高速化を実現することが実現できるのです。

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LTCの評価|決済通貨として使用されるのか?

ライトコイン vs ビットコインキャッシュ

ビットコインの決済についての弱点を克服することをめざした仮想通貨としてライトコインとよく比較されるものとして、ビットコインキャッシュ(BTC)があります。

ビットコインキャッシュは、2017年8月にビットコインのハードフォークで、ブロックサイズを拡大することで生まれたコインです。ライトコインのブロックサイズは1MBなのに対し、ビットコインキャッシュは8MBと8倍も違います。ここが両コインの最大の違いです。

ブロックサイズが大きいと、スケーラビリティ問題への直面を回避できる反面、取引承認にかかる時間が増えます。仮想通貨としての安定性と取引の頻度や速度がトレードオフになると言えるでしょう。

そのためブロックサイズの観点では、支払い通貨としての利便性は、ライトコインのほうが優れていると言えます。ただしもちろん、通貨は信用されてなんぼのものなので、ひとつの観点でコイン自体の優越は語れません。

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