イーサリアムクラシック(EthereumClassic/ETC)の特徴・詳細とは?

アルトコインの取引に興味が出始めると、Ethereum Classic(イーサリアムクラシック)という仮想通貨があることに気づくことかと思います。イーサリアムと似た名前なので、どのような違いがあるのか気になる人は多いのではないでしょうか。

イーサリアムクラシックは、コミュニティの分裂によってイーサリアムから誕生しました。イーサリアムと差別化を図るために、モノにインターネットを接続させるIoTに力を入れており、とても将来性のある仮想通貨です。

今回は、そんなイーサリアムクラシックの特徴や、これまでに実施されたハードフォークについて、また今後の展開などを解説していきたいと思います。

イーサリアムクラシック(EthereumClassic/ETC)の最新価格・相場・チャート・評価


イーサリアムクラシック(EthereumClassic/ETC)の特徴・詳細とは?|イーサリアムのコミュニティから分裂した仮想通貨について

イーサリアムクラシック(EthereumClassic/ETC)とは?

イーサリアムクラシックは、元はひとつだった「イーサリアム」という仮想通貨から分裂して誕生した通貨です。目的や理念の違いからイーサリアムを支えるコミュニティが分裂し、イーサリアムクラシックが生まれました。

仮想通貨の分裂は、ブロックチェーンを利用している仮想通貨の特徴のひとつです。バージョンのアップデートによってルールの変更が起こり、元のルールと新しいルールの間に互換性がなくなることで通貨が分裂することがあります。元はひとつの通貨だったイーサリアムが、2016年7月に行われたアップデートによって新しいイーサリアムに生まれ変わりました。

しかし、旧ルールを支持しているコミュニティは、当時のアップデート内容に反対していました。そのアップデート内容とは、当時イーサリアムで起こった事件(TheDAO事件)をなかったことにするというものです。

コミュニティの約9割はアップデートの内容に賛成していたため、ハードフォークで誕生した新通貨がETHのティッカーシンボルを受け継ぎました。そして残りの1割は、事件をなかったことにするのは中央集権的だと批判し、旧ルールを支持することになったのです。

この旧ルールで生成される通貨がイーサリアムクラシックであり、今でも当時の理念を受け継いでいます。つまり、当時の事件をなかったことにするコミュニティ主義ではなく、コードだけがすべてだという考えである「code is raw(コードが法律)」を主義に掲げているということです。

旧ルールを支持するコミュニティが小さかったため、ティッカーシンボルは奪われてしまい、イーサリアムクラシック(ETC)という名称に変更することになりましたが、イーサリアムクラシックこそが元祖イーサリアムと考えることもできます。

TheDAO事件|イーサリアムクラシック(EthereumClassic/ETC)の誕生

イーサリアムクラシックが誕生したのは、TheDAO事件によるコミュニティの分裂が原因です。ではTheDAO事件とは、どのような事件なのでしょうか?

TheDAOとは、イーサリアムのプラットフォーム上で構築されたプロジェクトの一環で、非中央集権を目指した投資ファンドプロジェクトのことです。

イーサリアムのブロックチェーンでは、スマートコントラクトという仕組みを活かしさまざまなプロジェクトが構築されています。TheDAOはその中のひとつで、独自トークンであるDAOを持つ投資家が、投票で投資先を決めるというものです。

一般的な投資ファンドと違い、資金集めをしたり、投資先を決めたりする運営が存在しません。イーサリアムのプラットフォーム上で自律的に稼働し、DAOを持つ投資家が全員で方針を決めていくという、非常に斬新なアイデアで注目を集めていました。

しかし2016年6月17日、TheDAOのプログラムの中に脆弱性を見つけた悪意のあるハッカーが侵入し、TheDAOが所有する資金を別のアドレスに移動させてしまったのです。

この事件によりTheDAOが受けた被害は、約364万ETH。当時の価格で約67億円相当だと言われています。

この事件をなかったことにするために、イーサリアムのコミュニティはブロックチェーンを事件前までロールバックする方針を打ち出しました。つまり、TheDAO事件のハッキングをなかったことにするということです。

そして、それに反対したコミュニティが旧ルールのイーサリアムを支持し、イーサリアムクラシックが誕生したという経緯になります。

Ethereumとの違いとは?

イーサリアムクラシックは、元はイーサリアムと同じブロックから誕生した仮想通貨なので、基本的な仕組みや機能はイーサリアムと同じです。イーサリアムクラシックもイーサリアムと同じようにスマートコントラクトが実装されていますし、それを利用した分散型アプリケーション(DApps)も利用できます。

しかし、分裂したときにコミュニティのほとんどがイーサリアムを支持したため、時価総額に大きな差が出ています。2018年11月5日現在、イーサリアムの時価総額は約2兆4千億円ですが、イーサリアムクラシックは約1,120億円です。時価総額ランキングで比較すると、イーサリアムがビットコインに次ぐ第2位、イーサリアムクラシックは16位となっています。

また、イーサリアムに発行枚数の上限や減少期は決まっていませんが、イーサリアムクラシックは2017年12月12日のアップデートにより、発行枚数の上限と減少期が定められました。正確な上限は決められていませんが、約2億1,000万枚~2億3,000万枚が上限になるだろうと言われています。

イーサリアムクラシックの減少期とアルゴリズム

減少期とは、ビットコインでいう半減期のようなもので、一定ブロックが生成されるごとに発行枚数が減少するシステムのことです。

ビットコインは21万ブロックごとに発行枚数が半分になるので「半減期」と呼ばれていますが、イーサリアムクラシックの場合、50万ブロックごとに20%ずつ減少するよう設定されているので「減少期」と呼ばれています。

また、イーサリアムのマイニングアルゴリズムは、PoW(プルーフ・オブ・ワーク)から、ハードフォークを経てPoS(プルーフ・オブ・ステーク)に移行するというロードマップを示しています。

PoWでは、コンピュータの計算速度によって発言権(ブロックを生成する権利)が得られるシステムでした。しかしPoSの場合、ETHの所有量によって誰に発言権が与えられるか決められるシステムになっています。

PoWのようにマイナーの一極集中が起こりにくく、さらに問題になっている電力消費も抑えられるというメリットがあります。

それに対しイーサリアムクラシックは、今のところPoSへ移行する予定はなく、今後もPoWにて採掘され続けるようです。

ハードフォーク

イーサリアムクラシックは2018年に入ってから、3月と5月の2度にわたりハードフォークを実施しています。

3月のハードフォークでは、イーサリアムクラシックから新通貨であるカリスト(CLO)が誕生しています。カリストはイーサリアムクラシックから分裂した独自のブロックチェーンですが、イーサリアムクラシックのサイドチェーンとしての役割も持っています。

そのため、イーサリアムクラシックが抱えているスケーラビリティ問題の解決が期待されています。また、実験段階のプロトコルをテストするという目的もあります。つまりこのテストが成功すれば、今後イーサリアムクラシックに適用される可能性があるということです。

カリストはイーサリアムクラシック所有者に対し、1:1の割合でエアドロップ(無料配布)されています。たとえば、ハードフォークの時点で10ETCを所有していれば、無料で10CLOが配布されるということです。

2月末以降、イーサリアムクラシックは強い下降トレンドを形成しており、3月のハードフォークが実施されたあとも、変わらず下げ相場が続いていました。2月24日時点で4,000円前後を推移していた価格も、4月10日には1,400円台まで下がっています。

そして5月30日に実施されたハードフォークでは、イーサリアムクラシックのPoWにおける難易度調整システムである、ディフィカルティボムが除去されています。

ディフィカルティボムとは、イーサリアムがPoSへ移行する際に、通貨の分裂を起こさないために実装されたシステムです。そもそもイーサリアムクラシックは今後PoSへ移行する予定はありませんので、ディフィカルティボムは必要ないということです。

5月29日時点では最安値1,500円台を記録していましたが、5月のハードフォーク後は徐々に価格を伸ばし、6月3日時点で約1,800円に到達しています。

イーサリアムクラシック(EthereumClassic/ETC)の評価まとめ

Ethereum Classic(イーサリアムクラシック/ETC)のこれまでの実績

コミュニティが大きいイーサリアムと比べると、イーサリアムクラシックは企業などの導入実績がほとんどありません。それは、今のところイーサリアムと比べて機能的にほとんど変わりなく、イーサリアムクラシックを利用するメリットがそれほど多くないからです。

しかし、イーサリアムクラシックは、2018年6月にインキュベータプログラムである「イーサリアムクラシック・ラボ」を開設したと発表しました。

インキュベータとは、革新的・独創的なアイデアを生み出すために、経営ノウハウのアドバイスや資金調達、運営に必要な技術サービスへの橋渡しを行う団体のことです。

具体的には、イーサリアムクラシックを利用する企業(特にスタートアップ)に対し、ブロックチェーンに関する技術指導や、事業戦略のコンサルティング、資金調達のサポートなどを行います。

現段階での導入実績はまだイーサリアムに劣りますが、このようなプログラムで徐々に導入企業が増える可能性は十分にあります。

イーサリアムクラシック(EthereumClassic/ETC)の今後

イーサリアムクラシックは、今後IoTに対応させていくとロードマップで発表しています。IoTとは、Internet of Thingsの略で、日本語ではモノのインターネットと訳されます。

それまでインターネットにつながっていなかったモノをインターネットを介することで、コミュニケーションを始めとするさまざまな取り組みができるようになるというものです。

これまでイーサリアムの劣化版と思われていたイーサリアムクラシックですが、ここで差別化を図ろうと考えているようです。

具体的には、モノにセンサーを埋め込み、それをインターネット上で管理することです。たとえば、エアコンにセンサーを埋め込んでおき、外出先からインターネットを経由してエアコンに接続することで、帰宅前に部屋を暖めておくことができるというもの。

ブロックチェーンは、データ管理に優れています。セキュリティに非常に強く、ブロックチェーンへの不正アクセスやデータ改ざんは、ほぼ不可能だと言われています。データ量が増えても問題なく管理でき、プライバシー保護も可能だというメリットがあります。

イーサリアムクラシックでは、このメリットをIoTに利用しようと考えています。モノの情報をインターネット上のブロックチェーンで管理することで、IoTをより便利に、安全に活用できるということです。

まだ開発の途中なので、完ぺきに実現しているわけではありませんが、今後仮想通貨のIoT業界を牽引していく存在になるかもしれません。

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