Steemは、世界で初めての分散型メディアプラットフォームです。SNSに記事を投稿すると報酬が貰えるという画期的なアイデアで、世界中から注目を集めています。
独自通貨のSteemは、2016年にDan Larimer(ダン・ラリマー)が開発したアルトコインで、BitSharesのベースとなっている「Graphene」というエンジンがベースになっています。
Steemは、Steemitというブロックチェーンを利用したSNSで活躍します。今回はSteemだけでなく、Steemitで利用できるSteem powerやsteem Dollarなど、特徴を詳しく紹介します。
目次
スチーム(Steem/STEEM)の最新価格・相場・チャート・評価
スチーム(Steem/STEEM)の特徴・詳細とは?|メディア×仮想通貨でトークンエコノミーを実現
Steemは、アメリカの大学を卒業した「Ned Scott(ネッド・スコット)」と「Dan Larimer(ダン・ラリマー)」が、2016年に共同開発したSNS特化型のメディアプラットフォームです。
プラットフォームである「steemit.com」は実際に誰でも登録することができ、登録しているユーザーは記事の投稿や閲覧を自由に操作することができます。
別のプラットフォームを借りて作成された通貨ではなく、プログラミングにより独自に作成されたオリジナルであり、コンセンサスアルゴリズムはビットコインと同じPoW(プルーフ・オブ・ワーク)を採用。発行枚数の上限は10億枚となっています。
スチーム(Steem/STEEM)プラットフォームの仕組み
従来、コンテンツを提供する人たちは、有益な情報を提供していたとしても、その対価として正確な報酬を受け取ることが難しいとされてきました。有益な情報ではなかったとしても、SEO(検索エンジン最適化)対策をしっかり行い、ヒューマンパワーで投稿数を増やしていけば、検索順位が上位に上がってしまうためです。
Googleでは読者の滞在時間や内部リンクの移動によって、有益な投稿かどうか判断しているようですが、まだまだインターネット上に埋もれている有益な情報はたくさんあります。特に売り上げに関しては、GoogleやFacebookなどの巨大プラットフォームがユーザーを集めることで独占してしまっている状況です。
スマートメディアトークン
Steemitでは「投稿」と「投票」という2つの仕組みを利用して、有益なコンテンツの提供者に対して適正な報酬を付与することを目指しました。
簡単な仕組みを解説すると、まずSteemというブロックチェーンを利用したプラットフォームがあり、そのブロックチェーン上にある「Steemit」と呼ばれるSNSサイトにコンテンツが投稿されることになります。Steemitでは、独自通貨のSteem(STEEM)のほかに、Steem power(SP)やsteem Dollar(SD)と呼ばれる通貨が利用されています。
- Steem
- Steem Power(SP)
- Steem Dollars(SD)
Steemitにはユーザーが自由にコンテンツを投稿でき、それに対して読者がコメントやLIKE!(イイネ)をすることで報酬が付与される仕組みです。投稿者だけではなく、投票した読者にも報酬が付与されるということがSteemの重要なポイントです。
この3通貨はそれぞれの特徴があり、ベース通貨ですがSteemは発行上限が決まっていません。Steem Power、Steem Dollarsはプラットフォームを使用する際に必要となり、報酬を受け取る際にはSPが50%・SDが50%となっています。
投票による報酬の比率は、はユーザーのSteem Powerの保有量によって決定します。つまり、同じ1票でもSteem Powerをたくさん所有している人のほうが投票の比重が大きくなるということです。また、ブロックチェーンを利用しているので、それらの投稿はすべて半永久的に記録が残ります。つまり、読者からの評価がある限り、半永久的に報酬が支払われ続けるということです。
複数のコンテンツに投票した場合、その比率は分割されるため、1票の比重が小さくなっていくという仕組みです。良質なコンテンツを見つけ、比重の大きい1票を投票し、そのコンテンツがたくさんの人に評価されることが大きな報酬を得るポイントとなります。
SteemやSteem Powerはそれぞれ交換できますが、価格を安定させるために、Steem Dollarsが用意されています。Steem Dollarsは米ドルと等価交換できる通貨で、プラットフォーム内の取引所で自由にSteemに両替することができます。
Steemトークンの仕組み
Steemのプラットフォーム内部では、Steem、Steem Power、Steem Dollarsの3つの通貨が流通しています。Steemでのコンテンツ報酬は、Steem PowerとSteem Dollarsで50%ずつ発行される仕組みになっており、それぞれの通貨が良いバランスを保っています。
この仕組みにより、短期的な投機目的ではなく、長期的な通貨の保有を促すことができる、というのがSteemの最大の強みです。
Steem Token
独自通貨のSteemは、プラットフォームSteemの主要通貨であり、取扱のある取引所で売買可能です。
年間100%ずつ発行量が増える(供給量が倍になる)という特徴があるため、相対的に1年で価値が半減することになります。計算すると、1日に約0.19%価値が下がるということです。ですが、高いインフレが起こり長期的に保有することには向いていません。しかし、SPとSBDを活用することで大幅な価格の下落を防ぐことができます。
これは、内部通貨であるSteem PowerやSteem Dollarsと交換させる目的もあります。SteemをSteem PowerやSteem Dollarsと交換しておけば、発行量により価値が下がる心配はありません。
Steem Power(SP)
Steemit.comで使うことができる通貨で、Steemit.comのサイトに登録・作成する際にもらうことができます。さらに、Steem Power(SP)を保有していることでユーザーは、保有量に応じたコンテンツ投票権が与えられます。
Steem Powerは保有すればするほど金利が発生し、利息を得られる仕組みになっています。Steemのように他者への送金は不可能なので、プラットフォーム内で利用するか、Steemと交換するという使い道が通常です。
ただし、Steemへの交換は、週に1回、しかも104分の1ずつしかできません。つまり、計算上は全額交換するためには2年かかるということです。これはSteemの長期的な成長を期待し、長期保有してくれる人に所有してもらいたいという想いで設計された仕組みです。
Steem Dollars(SD)
Steem Dollars(SD)はSTEEMと交換が可能です。特徴として、SPはドルと同じ価値に調整されており、取引量に応じて利息がもらえるため長期保有に向いており、現金化することもできます。
1SMD(Steem Dollars)が1ドルとなるように調整されているので、極端に価値が下がる心配がありません。しかも、Steem Powerと同じように取引量に応じて利息が発生し、他者への送金や売買が可能という特徴があります。
Steem Powerは交換の制限がありましたが、Steem Dollarsに制限はありません。仮想通貨の短期的な投機を避け、長期的に保有してもらえるという強み。そしてSteem Dollarsによる価格変動のリスクにも強いという特徴が魅力です。
スチーム(Steem/STEEM)の爆上げ時期
Steemは2016年7月ごろに価格が上昇し、1STEEM200円を記録したときには、時価総額がビットコインとイーサリアムに次ぐ第3位になったこともあります。
このときにあったSteem関係の出来事は、以下の通りです。
- 7月8日 Alex Sterkによるライブビデオインタビュー
- 7月8日 コインテレグラフによる記事公開
(Blockchain Social Platform Steemit Takes Advantage of Reddit’s Heavy Censorship) - 7月12日~13日 The Guardian、Reuters、Coin JournalによるSteem高騰の記事公開
Steemが投稿したユーザーに対して初めて報酬を支払ってから、2週間後の火曜日には1000%以上も価格が高騰しています。そしてこれに関連するニュースを多くのメディアが報じたことから、さらに高騰するという流れになったようです。
スチーム(Steem/STEEM)の評価まとめ
Steemの将来性
Steemは今後、新しいソーシャルネットワークメディアとして成長していくと考えられています。
ただし、先行者利益が強すぎるという問題点も指摘されています。調査によると、上位247のアカウントが全体の約87.5%のトークンを保持しているそうです。
Steemは時間が経てば価値が減少していくことから、初期に参入したユーザーのほうが得だということです。過去に1000%以上も高騰したこともあり、今よりも初期のほうが少ない金額でより多くのトークンを購入できたこともひとつの原因です。
また、SteemやSteem Powerなど、3つの通貨の仕様がわかりにくく、初心者が参入するハードルが高いということも問題視されています。
さらに、Steemitは全世界にユーザーがいるため、ほとんどが英語表記のコンテンツとなっています。米ドルと交換できる通貨があることからも英語圏の利用者が多いと考えられ、日本語での参入は難しいかもしれません。
ただ、現在1日に100万円以上稼ぐユーザーもいるため、ひとつの職業として人気が出てくる可能性も十分あります。