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Vite(VITE/ヴィート)の詳細・特徴とは?|DAG技術搭載の次世代dAppプラットフォーム
Vite(ヴィート)が提供するプロジェクトは、分散型アプリケーションプラットフォームが基本ベースとなります。このプラットフォームでは「高スループット」「低レイテンシー」を実現、さらには次世代のブロックチェーン技術と呼ばれる「DAG」をベースの仮想通貨です。
また、ネイティブトークン「Vite Token」をユーザーが使用できるのはもちろん、ユーザー自身が独自のトークンを発行することも可能です。さらには、クロスチェーンやループリングプロトコルによるトークン取引を実現しています。
このように、次世代のブロックチェーン技術と呼ばれる「DAG」をベースとした、分散型アプリケーションプラットフォームを構築する「Viteプロジェクト」について解説していきます。
Vite(ヴィート)の基本情報
- プロジェクト:Vite(ヴィート)
- 通貨単位:VITEトークン
- 公式サイト:https://vite.org/
- Telegram:https://t.me/vite_ann
- Twitter:https://twitter.com/vitelabs
- Instagram:https://www.instagram.com/vite.labs/
- Facebook:https://www.facebook.com/vitelabs/
- Binanceレポート:https://info.binance.com/en/currencies/vite
現在、Ethereum(イーサリアム)など独自の分散型アプリケーションプラットフォームを提供するプロジェクトは、15件/毎秒という非常に遅いトランザクションレベルであり、実用性がないのが決定です。
そのためViteプロジェクトは、今後、以下のように「方向性の改善」を実現させ、様々な面からこの課題を改善しようと試みています。
- システム状態の改善
- 状態遷移関数の改善
- レジャー構造の改善
- コンセンサスアルゴリズムの改善
システムの状態(ステート)の改善
システム状態の改善の根幹にあるのは、グローバルステートのローカル化です。それぞれのノードはあらゆるトランザクションや状態遷移と繋がらなくなりサブセットを維持するだけになります。
これにより、各セットの負担が大幅に減ってシステムのスケーラビリティが改善されます。このシステムを利用しているプロダクトとして、CosmosやAelf、PChainなどがあります。
状態遷移関数の改善
EVMに基づいたプロジェクトの中には様々なスマートコントラクトプログラミング言語を提供してるものがあります。
例えば、スマートコントラクト言語のRholangはRChainで定義されています。NEOのスマートコントラクトはNeoContractと呼ばれJavaやC#といったようなメジャーなプログラミング言語で開発が可能です。EOSはC/C++でプログラムされています。
レジャー構造の改善
レジャー構造の改善の方針として「同一クラスの構築」があります。これは、ブロックチェーンにおけるトランザクションの順序を厳守する線形レジャーが、半順序関係を記録するだけの非線形レジャーに改善されます。
DAG(有向非巡回グラフ)はこの非線形レジャー構造です。現在、ByteballやIOTA、NanoなどがDAG構造ベースの暗号化関数を実現しています。
コンセンサスアルゴリズムの改善
PoWは、ユーザーは皆ブロック生成の権限を有しています。PoSは、ブロック生成の権限をシステム権限を持つ人に限定しています。DpoSは、ブロックを生成する権利を有するユーザーを限定します。現在ではコンセンサスアルゴリズムの改善により、影響力のあるプロジェクトが表れてきました。
例えば、CardanoはOuroborosと呼ばれるPoSアルゴリズムを用いています。BFT-DPOSアルゴリズムはEOSに用いられてDPoSアルゴリズムを利用して、ブロックの生成を早めることによりシステムのスループットを改善しています。QtumのコンセンサスアルゴリズムはPoSです。CasperアルゴリズムはRChainに採用されており、これもPoSアルゴリズムの一種です。NEOはBFTアルゴリズム(dBFT)を、CosmosはTendermintと呼ばれるアルゴリズムを用いています。
レジャー(ブロックチェーン台帳)
仮想通貨の基本ベースとなっているレジャー(ブロックチェーン台帳)の主な役割は、トランザクション(取引)の順序を決定し、以下の2点に影響を及ぼすと考えられています。
さらにVite(ヴィート)は、これらのレジャーのデザインには「2つの種類」があると考えています。
- 中央集権システムであらゆる改竄防止機構を持たず共通のセットに基づいたレジャー
- 最高の改竄防止機構を持つ一般的なブロックチェーンレジャー
この2つの間には、さらに2つのDAGレジャーが存在しており、一つ目はNanoが用いる「ブロックラティスアカウント」、もう一つはIOTAが用いる「タングルブック」です。
ブロックラティスには半順序関係がより少なく高パフォーマンスの分散型アプリケーションプラットフォームのアカウント構造に、非常に相性の良い特徴を持ち合わせています。しかし、改竄に対しては弱いためセキュリティにリスクが生じる可能性があります。
そのためVite(ヴィート)は、「ブロックラティスアカウント」を採用しつつも、高いセキュリティパフォーマンスを実現するため、「チェーン構造スナップショットチェーン」を導入し、コンセンサスアルゴリズムを改善。セキュリティの不安点を完全に解決することに成功しています。
ViteのDAG技術の詳細
Vite(ヴィート)の最大の特徴は、ブロックチェーン技術の代わりにDAG(Directed Acyclic Graph)を採用して点です。DAG技術を利用することでプラットフォーム利用者は、取引の高速化と手数料をゼロにすることを可能にします。
そしてDAGとは、もともとは数学のグラフ理論の用語で、「有向非循環グラフ」と呼ばれており、複数方向に展開する情報をモデル化し、この理論を既存のブロックチェーン技術の代替として扱った仮想通貨は、DAG型コインと呼ばれます。Viteのほかに、IOTA(IOTAではDAGをTangleと呼称しています)やByteball、Aidos KuneenなどがDAG型コインです。EthereumのGHOSTプロトコルも、類似の技術として紹介されることも多いです。
既存のブロックチェーン技術との違い
既存のブロックチェーン技術では、トランザクションは一つのブロックに一つ格納され、ユーザ同士で分散的に管理されます。ブロックは鎖のように一方向でつながって記録されています。
これに対してDAG技術は、アカウント毎にブロックチェーンを形成し、2者間の取引を各アカウントに紐づくブロックチェーンおよび第3者のアカウントに紐づくブロックチェーンに格納していくことで行うというものです。このことでDAGを実現しています。情報が経由するアカウントが少なくて済むため、「高速に取引」「セキュリティ対策」が実現できます。
セキュリティの不安点を完全に解決する「チェーン構造スナップショットチェーン」
ブロックチェーン技術はコンセンサス(合意)が異なった結果の場合、2つのブロック間でフォーク(分岐)します。これは部録チェーンの基本技術であり、例として、ノードが短いチェーンとより長いチェーンを受信した場合、長いチェーンのほうがコンセンサス結果として認められ、短いチェーンの方のフォークは却下される仕組みとなっています。
この却下されたチェーンは、ブロックチェーン上において無かったものと認定され、フォーク前の地点にロールバック(巻き戻し)されます。しかし稀に、トランザクションのロールバックにおいて、「二重支払い」に繋がることもあるのです。
スナップショットチェーンとトランザクションの確認について
Vite(ヴィート)は、ブロックラティス構造のセキュリティ上の欠を解決するため、「スナップショットチェーン」を導入しています。
スナップショットチェーンは、もし悪意あるユーザーが二重支払いを二重支払いを実行しようとした場合に、Viteレジャーのハッシュ参照を再構築する手間に加えることで、全てのブロックのスナップショットチェーンを再構築しなければいけません。また、悪意あるユーザーは長いスナップショットチェーンを生成しなければいけないため、攻撃する際の手間とコストがさらにかかることになります。
スナップチェーンのフォーク
楚姫ほど説明したブロックチェーンのフォーク同様に、スナップショットチェーンもフォークした場合、2つのうちより長いフォークが有効なフォークとして認定されます。
スナップショットチェーンがフォークすると、元々のスナップショットの情報はロールバック。新たなコンセンサスに置換されます。すなわち、スナップショットチェーンは全体のセキュリティシステムの基盤として、最重要機能となっているのです。
コンセンサスアルゴリズム(コンセンサスプロトコル)
Vite(ヴィート)の主な目的は「速さ」であり、高い処理能力と低い遅延性を実現するため、速いコンセンサスアルゴリズムを採用します。このような考えの中でVite(ヴィート)は、以下の3つを設計の要点としてピックアップしています。
- 性能
- 拡張可能性
- 安全性
既存のコンセンサスアルゴリズムと比較
仮想通貨および、ブロックチェーン市場においてコンセンサスアルゴリズムは、プロジェクトの相性によって決定されます。ビットコインが採用するPoWをはじめ、通貨に適したコンセンサスアルゴリズムが採用されています。
- PoW:悪意のあるノードの計算能力が50%以下なら合意に達します。しかし、速度が遅いというデメリットが存在します。
- PoS:数学的な問題を解くステップを除去し、速度を改善して単一攻撃のコストとしてエネルギー消費を削減します。しかし、PoS は拡張性に乏しくなっています。
- BFT:安全性と性能において良い性能を持つが、拡張性には問題があり、パブリックチェーンには適していない。
- DPoS:虚偽フォーク生成の可能性を、ブロック生成の許可を制限することで減らす事ができる。性能と拡張性も良い。安全性に少し犠牲を強いるが、悪意あるノードの数も制限できる。
「DPoS」は、性能と拡張性で優位なアルゴリズムです。そのため、後から発足したプロダクトに関しては、DPoSを採用することが多く、Vite(ヴィート)も同様に、「DPoS」をコンセンサスプロトコルベースとして採用しています。
そしてVite(ヴィート)は、階層的なコンセンサスプロトコルと、非同期モデルを採用することで、総合的な性能を更に改善し、その結果構築されたのが独自アルゴリズム「HDPoS」なのです。
階層的コンセンサスとは?
佐伯ほど説明したように、Vite(ヴィート)のコンセンサスプロトコルは「HDPoS(階層的委任によるプルーフ・オブ・ステーク)が採用されています。
DPoSと同じ部分が多いアルゴリズムですが、ローカルコンセンサスとグローバルコンセンサスという「階層」という部分が一般的なDPoSと異なります。
ローカルコンセンサス
ローカルコンセンサスとは、ブロックを生成し、ユーザーのアカウントまたはコントラクトアカウントでの取引に応答し、台帳に書き込みます。
グローバルコンセンサス
グルーバルコンセンサスとは、台帳データをスナップショットしてスナップショットブロックを生成します。レジャー全体を格納するのではなく、アカウント残高やスマートコントラクトの状態などの重要な情報を格納します。もし分岐した場合に一方を選ぶ権利を持ちます。
※ローカルコンセンサスとグローバルコンセンサスの関係は、例として、会社が財務取引を記録(ローカルコンセンサス)し、監査人がそれらの正当性を確認(グローバルコンセンサス)ということになります。
ブロック生成とコンセンサスグループの権利
Viteのレジャー構造は、各アカウントに応じてそれぞれがマルチプルアカウントチェーンによって編成されており、レジャーの「ブロックの生成権」と、「スナップショットブロックの生成権」の両方を単一のユーザーグループが有する仕組みとなっています。
これによって、多数のアカウントチェーンもしくは、スナップショットチェーンをコンセンサスグループにまとめることが可能となるのです。
コンセンサスの優先度
Vite(ヴィート)が採用するプロトコルでは、グローバルコンセンサスの優先度はローカルコンセンサスの優先度より高くなります。
ローカルコンセンサスがフォークした場合はグローバルコンセンサスが選んだ結果が優先されます。すなわち、一旦グローバルコンセンサスが選択されると、ローカルコンセンサスのフォークでアカウントチェーンがグローバルで選ばれたそれ以上の長いブロックが発生しても、グローバルコンセンサスの結果を覆すことはできないのです。
プラットフォームによるエコシステムのモデル
リソースの割り当て
Vite(ヴィート)は、分散型アプリケーションプラットフォームのため、使用されるスマートコントラクトの機能は様々で、スマートコントラクトごとにスループットと遅延の要件が異なります。要するに、同じスマートコントラクトであっても、異なる段階でのパフォーマンス要件は異なります。
分配計算
Vite(ヴィート)では、割当てベースのリソース分配プロトコルを採用し、使用するユーザーは以下の3つの方法で、割り当てリソースを取得できます。
- 取引開始時に PoWによる計算をする
- 一定量の ViteTokenをステークする
- 一度に少量の ViteToken をディストラクションする
ユーザーがViteTokenをステークすることも、費用を支払うこともない場合は、PoWによって計算する必要があります。
また、割り当てのリースは、ユーザーが十分なViteTokenを保有し、多くの割り当てリソース量を使用する必要がない場合は、自分の割り当て量を他のユーザーに貸し出しすることも選択できます。
独自トークン
ネイティブの ViteToken に加えて、Vite はユーザーが自分のトークンを発行する機能も持ちます。トークンは、MintTransactionという特別な取引を通じて発行が可能になります。
発行リクエストが承認されると、MintTransactionに含まれているViteがミントトランザクション料金としてアカウントから引かれたあとに所有者のアドレスに追加されます。所有者アカウントはトークンのジェネシスアカウントとなります。
クロスチェーンプロトコルと、ループリングプロトコル
さらに、クロスチェーンによる価値の転送機能も持つ「Vite Crosschain Transfer Protocol(VCTP)/クロスチェーンプロトコル」を設計しており、さらには、DEXを構築するためのオープンプロトコルに「ループリングプロトコル」を採用しています。
これは、他のDEXソリューションと比較した場合、ループリングプロトコルは独自の二重承認技術を提供し、完全なオープンソースとなっています。
また、ループリングプロトコルをVite(ヴィート)に組み込んだ目的は、Vite(ヴィート)におけるトークンの流動性を高めることが目的であり、ユーザーは自分のトークンを発行し、VCTPを介して資産をオフチェーンで転送。ループリングプロトコルを使用してのユーザー同士のトークン交換を実現できるのです。
これら全てのプロセスは、Vite(ヴィート)システム内で完了されており、完全に非中央システムとして機能しています。
分散型取引所(DEX)
Vite(ヴィート)のプラットフォームでは、非中央集権の仮想通貨取引所であるDEX(分散型取引所)をすでに立ち上げており、Bitcoin(ビットコイン)やEthereum(イーサリアム)などの仮想通貨が上場しています。
中央集権取引所との違いは、「中央集権化」されているかされていないかの違いであり、昨今問題となっている仮想通貨取引所の資金持ち逃げなどのデメリットを解消することが可能となります。
- DEXはこちらから:https://x.vite.net/
分散型マルチウォレット
さらにDEXプラットフォームには、同様に分散化された「マルチウォレット」が搭載されており、Vite Tokenはもちろん、他のプロジェクトが発行する様々なトークンを保管することが可能です。
ロードマップ
2018年12月(完了済み)
- スマートコントラクト/ Solidity ++ Alphaテスト
- クロスチェーンゲートウェイアルファテスト
- マルチトークンウォレットアルファテスト
- 分散型交換(DEX)アルファテスト
- ウェブサイト2.0
- 公式フォーラムのウェブサイト
2019年第1四半期(完了済み)
- MainNetリリース前
- クロスチェーンゲートウェイオープンベータテスト
- DEXオープンベータテスト
- スマートコントラクト/ Solidity ++オープンベータテスト
- マルチトークンウォレットリリース
- マルチVM(仮想マシン)サポート(EVM / WASM)
2019年第2四半期(完了済み)
- パフォーマンスの最適化
- タイマートリガースマートコントラクトスケジューラー
- アドレスのネームサービス
- スマートコントラクトアップグレード
2019年第3四半期(継続中)
- ViteX分散型Exchangeリリース
- MainNetリリース
- dApps(モバイルクライアントアプリケーションでサポート)
- DEXでの安定したコインの発行
- 支払いの履行
2019年第4四半期(未来)
- dAppエコシステム構築
TEAMS(チーム)
Charles Liu / 最高経営責任者(CEO)
ベテランブロックチェーン起業家および技術エキスパート。中国のブロックチェーンアプリケーションリサーチセンターの常任取締役。中国科学技術大学およびソフトウェア研究所を卒業。中国科学アカデミー。JD.comの元シニアアーキテクト。Coinportの共同設立者。Meituan Dianpingのエンジニアリングディレクター。分散システムおよび同時実行性の高いシステムでの豊富な経験。
Frank Deng / Vite Foundation ディレクター
デジタルおよびモバイルマーケティングの経験豊富な専門家。清華大学を卒業。以前は、Google Ad Operationsの戦略的地位にありました。元Suizong TechnologyのCEO。Yunke Technologyの共同設立者。
Leo Zhang / 共同創設者
熟練したブロックチェーン投資家およびシニアテクニカルエキスパート。以前は、Meituan-Dianping and Coinportでエンジニアリングの取り組みを主導しました。
Richard Yan / COO
熟練したウォールストリートプロフェッショナル。ダートマス大学で学士号、ニューヨーク大学でMBAを取得。ゴールドマンサックスでストラクチャードプロダクトトレーディングストラテジストとして勤務し、Two Sigmaの高周波プラットフォームおよびビジネスイノベーション&成長グループの副社長を務めていました。