エレクトロニウム(Electroneum/ETN)の特徴・詳細とは?

「ユーザーフレンドリー」という言葉があります。ICT系の用語で、コンピュータやシステムに詳しくない人でも使いやすいように、プロダクトを設計していこうという思想のことです。説明書が無くても直感的に操作や利用ができるデザインがベストだとされています。

現在の仮想通貨はお世辞にも、ユーザーフレンドリーに利用ができる状態だとは言えません。取引の仕方、マイニングの仕組みや方法は複雑で、調べるのにも手間がかかります。決済や手続きの手段として、普通の通貨のように多くの人に広まっていない要因の一つに仮想通貨のユーザーフレンドリー性の低さはよく指摘されます。

そして、現在が仮想通貨の黎明期だとしたら、今後、より使いやすい仮想通貨が出てくるのは必然だと言えます。本記事で紹介するElectroneum(エレクトロニウム/ETN)は、「ユーザーフレンドリー」というワードを掲げて仮想通貨界に参入してきたコインです。煩雑で多種多様なアルトコインの中で、ユーザーに寄り添ったシステムを構築することを目的としています。

仮想通貨界に参入するにあたって、Electroneumは統計上の数字を使って自己の特徴を説明していく手法を用いています。マーケティング戦略に長けている仮想通貨と言えるでしょう。もしかしたら誇大的に感じる方もいるかもしれない壮大なプロジェクトが、物語をもって語られています。Electroneumがどのような青写真を持っているのか、本記事では詳しく解説していきます。

エレクトロニウム(Electroneum/ETN)の最新価格・相場・チャート・評価

エレクトロニウム(Electroneum/ETN)の特徴・詳細とは?

Electroneum(エレクトロニウム/ETN)は、2017年8月4日に取引開始、略号は「ETN」、最大供給量210億の、イギリスで初めて開発されたとされる仮想通貨です。匿名の仮想通貨として知られるMonero(モネロ/XMR)のフォークコインとして知られています。ICOでは約40億円を集め、大きく注目されました。

エレクトロニウム(Electroneum/ETN)とは?

Electroneumは世界の約20億人超のスマートフォンユーザーを利用者のターゲットとしており、その大衆的なユーザーへ、ユーザーフレンドリーなインターフェースでElectroneumを使ってもらうことをめざしています。スマホのアプリでマイニングを行ったり、QRコード利用の取引システムを準備したり、というようにです。

また、3.5億人以上いるという発展途上国のスマホユーザーを、デジタル市場へ参入させ、新たに3兆ドルもの市場を創出し、さらに世界には17億人以上、銀行口座を持っていない人がいるとし、その方々のために世界経済を開放するとしています。

既にリリース済のAndroidアプリは、20言語で利用可能。登録ユーザーは2018年4Q時点で250万人超。Electroneumはこの計画を「enablement currency(可能にする通貨)」というキーワードを添えて説明しています。

この、数値での裏打ちを並べていくマーケティング戦略を先導しているのが、Electroneumチームの代表、Richard Elis(リチャード・エリス)氏です。氏はイギリスでSiteWizard(サイトウィザード)というSEOなどを行うITソリューション企業を20年以上も経営しているアントレプレナーで、2013年には50億円もの企業価値を持つRetortal(レトータル)という会社を作りました。ベンチャー起業のようにICOを企画し開発を進めていることが見て取れます。

ビットコインよりも速い取引スピード・Monero由来の匿名性

Electroneumは、その取引スピードと匿名性を推しています。ビットコインよりも取引を早く行うことができるとし、素早い取引で世界中の人が利用するシーンを最初から想定して設計されています。

また、フォーク元であるMoneroが匿名性に力を入れた仮想通貨ということで、ビットコインで公開鍵を持っているとできてしまう、他ユーザーのウォレットの中身や取引履歴の閲覧ができないように設計されています。

完全オフラインのElectroneumウォレット

Electroneumは、その提供するウォレットアプリで、オンラインのwebウォレット(ホットウォレット)と、オフラインのペーパーウォレット(コールドウォレット)の2種類のウォレットを用意しています。

世界中で仮想通貨のハッキングがニュースになっているため、その安全性には注目が集まっていることへのElectroneumの対応策と言えるでしょう。オフラインのペーパーウォレットは、2種類の秘密鍵のような仕組みを有しています。Electroneumは公式サイトにて、このペーパーウォレットがハッキングされる可能性は、「世界中の砂を宝くじと見立てたとして、その一粒一粒すべてに当選するようなもの」と表現しています。

スマートフォンでマイニング可能

Electroneumは、スマホで簡単にマイニングができる仕様に強くこだわっています。これがユーザーフレンドリーにつながるためです。スマホでアプリをダウンロードした後、ボタンをタップするだけでマイニングが可能です。

また、PayPayやPayPalのようにQRコードを利用した取引システムを導入しており、Electroneumでの簡単なスマホ決済が行えるようにしています。

多くの著名人も注目

Electroneumは、リーダーが起業家なのもあってか、多くの著名人に注目されています。SpotifyやUberなど5年間で16社ものユニコーン企業を輩出してきたアメリカ・シリコンバレーのオープンイノベーション「RocketSpace」のCEOである、Duncun Logan(ダンカン・ローガン)氏や、セキュリティ会社のマカフィーの創業者である、John McAfee(ジョン・マカフィー)氏らがTwitterなどでElectroneumを支持するコメントを発表しました。

マカフィー氏の発言は、「マカフィー砲」などと呼ばれて相場にも影響がありますが、Tweetのあった2017年12月21日のElectroneumは、前日比で1.4倍ほど値上がりをしています。

エレクトロニウム(Electroneum/ETN)の評価まとめ

これから、Electroneumはどのように前進・進化していくのでしょうか。これまでの提携実績と今後について考察してみます。

エレクトロニウム(Electroneum/ETN)のこれまでの実績

Electroneumは、着実にその提携企業先を増やしています。2018年1月に提携を発表したXIUSは、アメリカの通信事業運営会社です。25年もの歴史を持つこの企業との提携で、通話料金をETNのマイニングで相殺するというアイデア実現を目指しているそうです。

また、2018年の4QにはタイのOne Development Thailand、香港の、香港ジョイテレコム株式会社とも契約を結んだことを発表しており、世界的な広がりを進めていることをアピールしています。

Electroneumの今後

Electroneumの今後は、そのユーザーフレンドリーなインターフェースという武器で20億人以上というスマホユーザーをいかに取り込むことができるか、にかかっていると言えるでしょう。銀行口座を持たないユーザーをターゲットとし、その送金手段としてElectroneumを利用してもらうことを想定しているようですが、Stellarなど、既存でビッグなアルトコインで似たような戦略を持っているものがライバルになります。

さらに、スマホを保有していれば電子マネーなどで、銀行口座を持たない人でも送金は可能なので、仮想通貨での送金がどれくらい普及するかは未知数です。また、Electroneumの現状は、iOS版のアプリのベータ版がでるかでないか、といったところで、素早い開発がされているとは言えない印象があります。

Electroneumの青写真としては、ゲームやギグエコノミー、eコマースやPoSシステムとの連携を展開の視野に入れているようですが、市場の数値的な大きさを提示しているだけでまだまだ具体的なビジョンは見えていないように感じます。もちろん、どの分野も巨大な市場が既に広がっており、技術の進歩で何が起こってもおかしくありません。

しかし、その中でElectroneumがどのような立ち位置で活躍できるのかは、マーケティング先行の戦略を取っている状況でまだまだ見えていないのが実際のようです。Electroneumの今後のニュースには注目が必要でしょう。

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