目次
アイオーエスティー(IOST/IOST)の特徴・詳細|ETHの400倍速く、EOSの10倍分散化している仮想通貨
IOST(アイオーエスティー/IOST)は、オンラインサービスに分散型のプラットフォームを展開することを目的として開発が進められている、ブロックチェーン技術を用いたプラットフォームおよび仮想通貨トークンのプロジェクトです。
「イーサリアムよりも400倍以上速く、EOSよりも10倍分散化している」というセンセーショナルな触れ込みで喧伝しており、日本、アメリカ、中国、ドイツ、韓国、シンガポールにオフィスを構え、CEOのTerrence Wang(テレンス・ワン)氏は、21歳の時に4000万ドルで売却し、現在25歳。プリンストンやハーバードの博士号保持者、国際情報オリンピック金メダリストなどのブロックチェーン業界最強チームを結成し、資金調達にはICOでのパブリックセールは行わず、ベンチャーキャピタル利用のプライベートセールで開発資金を用意したという、ビジネスアピールに巧みな、強力な計画として注目を集めています。
IOSTとは、「Internet of service」の略です。SNSやショッピングサイトでのスケーラビリティ問題を解決し、新しいインフラストラクチャになることを念頭に設計されています。例えば、FacebookやAmazonなどでは、サービス全体で1秒間に何万回ものやりとりが発生しますが、当然従来の中央集権的な運営ではハッキングリスクも高く、手数料も多くかかってしまうことが問題でした。IOSはこれらのやりとりをブロックチェーン技術を利用することで効率化することを狙っているのです。
そして、IOSTのトークン名が、「Internet of service token」で、略号IOSTとして市場に流通しています。最大供給量は210億枚、2018年1月にリリースされ2018年12月現在で時価総額ランキング66位で、日本チームが運営する日本語での投資家向けニュースサイトにてこまめに情報展開をする、着々と次の時代での大きな展開への準備を進めている仮想通貨トークンとなっています。
そんなIOSTについて、その技術、強み、将来性について詳しく解説していきます。
アイオーエスティー(IOST/IOST)の最新価格・相場・チャート・評価
アイオーエスティー(IOST/IOST)の特徴・詳細とは?
IOSTの特徴としては、独特の承認アルゴリズムであるPoB(Proof of Believability)、スケーラビリティ問題の解決策としての効率分散型シャーディングが挙げられます。それでは順番に見ていきましょう。
Proof of Believability
IOSTは、その取引承認の合意形成システムに、PoB(Proof of Believability)という仕組みを採用しています。「Believability」とは、信用性・信憑性という意味です。IOSTは、PoBをより富の分配が公平になるシステムと定義しており、ネットワークへ参加したばかりの人でも古参の人と同じくらい報酬のチャンスを得られるようになっているとしています。IOSはその理念においても、「Believability」という考え方に重きを置いているようです。
PoBは、コミュニティへの貢献度やIOSTの残高および取引時の対応・不正をしていないという事実などで、Serviという仕掛けで信用スコアを測定し、報酬を配分します。評価の重みを「Believability」に置いているので、より誠実な行為を行うことがサービスを円滑かつ効果的に活用できるように、承認行為が加担するような仕掛けになっています。また、この仕掛けを高速で実現するために、PoBのノードは、2種類に役割分担されます。
- Believable Nodes(ビリーバブル・ノード)
ビリーバブル・ノードは、Serviに基づいて承認されたノードです。信用スコアが絶えずレニューされます。
- Normal Nodes(ノーマル・ノード)
ノーマル・ノードはその名の通り普通のノードで、ビリーバブル・ノードにて行われた承認取引の検証と信頼性評価を行います。
Efficient Distributed Sharding (効率分散型シャーディング)
既存のブロックチェーンのスケーラビリティ問題を解決するために、IOSTは、EDS(効率分散型シャーディング)と呼ばれる機能を採用しています。これは、ネットワークの全体をシャードと呼称されるグループに分割して、並行で作業をさせることで処理速度を上げる技術です。シャード各々がブロックチェーンで、各々のシャードがブロック生成をする、というような例えで説明されます。
アイオーエスティー(IOST/IOST)の強み
IOSTの強みは、問題意識の高さとその明瞭さだと言えるでしょう。IOSTはブロックチェーン技術を普及させるための課題として、「スケーラビリティーのトリレンマ」というものを設定しています。これは、スケーラビリティー、セキュリティー、分散化という3つのバランスをとることで初めてブロックチェーン技術が確立する、という考え方です。このように問題意識を分かりやすく課題設定しているスマートさは素晴らしいです。
特にセキュリティについては、先ほど説明したシャーディングにも勘案されています。
TransEpoch(トランスエポック)とAtomix (アトミクス)
先ほどの、シャードを全て包括したものがIOSTネットワークですが、シャードとシャードのトランザクションを一定の大きさのグループにまとめる機能が、TransEpoch (トランスエポック)です。情報をまとめて送信することでセキュリティが堅牢になるうえ速度が速くなるという利点があります。
また、Atomix (アトミクス)は、シャードの間でのやり取りが入違わないようにする仕組みです。トランザクションに一貫性を持たせ、誤送信および誤送金が起こらないよう自動的に調整をしています。
IOSTの爆上げ時期
IOSTは、まだ2018年1月のリリースから、この記事を執筆している12月現在ではまだ1年経っていない、若い仮想通貨トークンです。ICO価格は0.01ドルで始まりました。2018年1月中旬にエアドロップを実施しており、このときには話題を集めました。その時点では、1IOSTは0.02ドルほどでした。
この後、1月24日に世界最大の仮想通貨取引所であるバイナンス(Binance)に上場したことで大きく値上がりしました。0.14ドルあたりまで上昇したので、ほんの数週間で14倍になったことになります。このことで、仮想通貨時価総額1000位以下から100位以内までジャンプアップしました。この後、他の仮想通貨と連動して、値を下げています。2018年12月現在では0.03~0.04ドル近辺を推移しています。
エアドロップは何度か行われていますが、そのことが契機で高騰といえるほどチャートが推移したことはなさそうです。また、後述しますがIOSTはロードマップの予定よりも前倒しで計画が進行しています。しかし、そのことと価格も今のところは関連していない印象です。
アイオーエスティー(IOST/IOST)の評価まとめ
IOSTのロードマップは前倒しで進行しており、順調に開発が進んでいるようです。2019年Q1にリリース予定だったテストネットは、2018年10月に第2版が公開されています。メインネットのリリースは、2019年Q3からQ1へリスケジュールされています。ロードマップ実現の能力を十分に示せていると言えるでしょう。
アイオーエスティー(IOST/IOST)の将来性
IOSTは今後、どのように普及していくでしょうか。オープンプラットフォーム、新しいインフラストラクチャをめざすという目的上、人口に膾炙している(もしくは、する)サービスとどう連携するかどうか、が今後の注目点だと言えるでしょう。
FacebookやAmazonと言ったwebのビッグサービスがブロックチェーンに拠点を移すことになる際に、IOSTと提携するという形の可能性もありますが、IOSTで動く新しいサービスが今後大きな成功をするというビジョンのほうが現実味があるように思えます。
IOSTのニュースサイトのよると、IOSTが視野に入れている分野は、「慈善事業(チャリティー)」、「アート」、「ソフトウェア開発」、「教育」、「フィンテック&インシュアテック(保険)」、「ゲーム」、「サプライチェーン」、「メディア&エンタメ」、「マーケットプレイス&イーコマース」とのことで、多種多様にわたっています。実際、DApps系ゲームの開発としては、日本のプラチナエッグというゲーム会社との提携も先日ニュースとなりました。ゲーム分野でのIOST活用はすでに始まっているようです。
IOSTの掲げた壮大な目標は、インターネットのパラダイムを変える可能性を持つほどのものです。もしかしたら、未来のサービスの基盤はIOSTになるかもしれません。今後の動向には要注目です。