ウェーブス(Waves/WAVES)の特徴・詳細とは?

ウェーブス(Waves/WAVES)は、2016年に最も大きな金額を集めたICOとして、世界から大きな注目を集めた仮想通貨です。
イーサリアムのようにプラットフォーム(Wavesプラットフォーム)を持ち、DEX(分散型取引所)を利用したマルチゲートウェイにより法定通貨と交換できることが最大の特徴です。また、個人が簡単にトークンを発行できるなど、様々な活用の場が期待されています。

今回は、イーサリアム、リスクに続く大規模仮想通貨プラットフォームのwavesについて、その特徴や、将来性について紹介します。

ウェーブス(Waves/WAVES)の最新価格・相場・チャート・評価


ウェーブス(Waves/WAVES)の特徴・詳細とは?

ウェーブス(Waves/WAVES)とは?

wavesは2016年4月、Nxt(ネクスト)という仮想通貨からの分裂によって誕生しました。発行枚数の上限は1億WAVESで、ブロックの生成時間は約1分となっています。

wavesの開発は、ロシアを拠点に行われています。2017年7月には、ロシアの中央証券保管庫である「NSD(National Settlement Depository)」と提携したことでも話題になりました。

wavesプラットフォームでは、非常に簡単に独自トークンを発行することができます。企業並みの資金力がなくても、個人が少額の投資でトークンを発行できます。このシステムは、「カスタムアプリケーショントークン(CAT)」と呼ばれています。

その方法も、wavesプラットフォームにアクセスし、トークンの名称や発行量、追加発行の可否などを設定するだけなので、わずか5分ほどで発行することも可能です。このトークンを使ってポイントカードの代わりにしたり、またICO(新規仮想通貨発行)として資金の調達をすることもできます。

wavesプラットフォームのICOでは過去に、数多くのトークンが排出されてきました。その中でも特にMobile Go(モバイルゴー)は、約58億円もの資金調達に成功しており、大きな注目を集めています。

ポイントの代わりに

また、ロシア国内のハンバーガーチェーンであるバーガーキングでは、wavesプラットフォームで発行された「Whoppercoin」というトークンを、店舗で発行するポイント代わりに使用されています。

このような取り組みは、ポイントカードによるポイント管理よりも非常に優れていることがわかります。たとえば、ポイントカードはシステムの導入に多くの費用がかかってしまいますが、wavesプラットフォームのトークンなら、たった1WAVESで発行できてしまいます。

ポイントの管理もカードであれば専用の機器が必要だったり、スタンプカードという物理的なものが必要だったりしますが、wavesであればすべてwavesプラットフォームで自動管理されています。ブロックチェーンのシステムを利用しているめ、データの改ざんや不正にもとても強くなっています。

LPoS(Leased Proof of Stake)

wavesは、ブロックの承認システムにLPoS方式(Leased Proof of Stake)を採用しているという特徴もあります。

PoS(プルーフ・オブ・ステーク)は聞いたことがある人も多いかもしれません。これまでビットコインやビットコインキャッシュなどは、コンピュータによる膨大な量の計算を必要とするPoW(プルーフ・オブ・ワーク)と呼ばれるアルゴリズムを採用していました。

PoSではそのような膨大な計算は必要なく、トークンの所有量によって発言権が決まるシステムになっています。そのためPoWで懸念されていたマイナーの一極集中問題や、電力消費による環境問題を解決する糸口になりました。

wavesではさらにPoSを発展させた、LPoSを採用しています。これはPoSの仕組みを採用しつつ、フルノードを所有しているユーザーに自分のトークンを貸し出す(Leased)ことができるシステムです。

これにより、フルノードを所有していないユーザーでも、また仮想通貨の知識がそれほどない人でも、ブロックの生成に関与できるようになります。そしてフルノードユーザーに貸し出ししたユーザーは、フルノードユーザーがブロックを生成したときに手数料をもらうことができます。

フルノードユーザーはトークンを借りることでブロックを生成しやすくなるため、お互いwin-winの関係になるということです。

ウェーブス(Waves/WAVES)の強み

waves最大の強みは、法定通貨(フィアット)と交換できることです。開発元のロシアでは、法定通貨の価値をおびやかすものとして、すでに仮想通貨の規制が始まっています。しかしwavesは法定通貨と交換できるので、「仮想通貨が法定通貨をおびやかすものではない」ということを主張できる存在になり得るということなのです。

あらゆるものがトークン化される便利な世の中を目指すという考え方は、政府にとっても受け入れやすい通貨なのではないかと言われています。

また、分散型取引所(DEX)であることもwavesの強みのひとつです。分散型取引所とは、本来通貨の管理や取引を実行するシステムを機能させるためのサーバーが、分散して管理されている取引所のことです。

分散型取引所ではシステムが自律的に稼働しているため、第三者の信頼がなくても(トラストレス)安全な取引を行うことができます。仮想通貨の所有を証明する秘密鍵は、取引所ではなく利用者個人が自己責任で保管することになります。

中央集権型の取引所(bitFlyerやZaifなど)の場合、利用者同士の取引を事業者独自のサーバーで行うため、サーバーが落ちてしまうとアクセスできなくなりますし、管理している通貨が不正アクセスによる盗難の被害に遭う可能性もあります。

しかしwavesのような分散型取引所であれば、プラットフォーム内での取引はブロックチェーンを介して行われるので、不正アクセスの被害に遭うリスクが非常に小さくなっています。また、サーバーが分散しているため、どこかのサーバーが落ちたとしても、ブロックチェーンネットワークへの影響はほとんどありません。

さらにWavesでは、コンセンサスアルゴリズムとしてLPoSを採用しています。自分が所有するwavesをフルノードユーザーに貸し出しすることで、利息としてエアドロップを貰うことができるのも大きな強みです。フルノードユーザーに自分の通貨を貸し出すだけで、エアドロップによって自動的に資産が増えていくということです。

預けているあいだその資産が減ることはなく、自分の好きなときに返還してもらうことができます。エアドロップの利率はそれほど高くありませんが、場合によっては銀行に資産を預けるよりも安全で効率的な方法になります。

ウェーブス(Waves/WAVES)の爆上げ時期

wavesが初期のころは30円~35円台の価格を推移しており、世間からもそれほど注目はされていませんでした。しかし2017年5月に、Microsoft Azure(旧Windows Azure)と提携したことで注目され、700円の高値を超える高騰を見せています。

それ以降長期的な下降トレンドを形成していましたが、2017年7月のロシア中央証券保管庫(NSD)と提携したことで再び高騰しています。

ただし、2017年5月から7月以降にかけて、ビットコインやその他の主要通貨も高騰しています。wavesもそれにつられて高騰したと考えることもできます。

2017年は700円台を推移していましたが、2018年に入り800円台を記録。2月ごろに最高値として870円ほどまで高騰しています。

ウェーブス(Waves/WAVES)の評価まとめ

ウェーブス(Waves/WAVES)の将来性

wavesは今後、イーサリアムが得意とするスマートコントラクトや、Monero、Zcashのような匿名性の機能を実装するための開発が予定されています。

スマートコントラクトとは、ブロックチェーンの記録に取引のデータだけではなく、いろいろなコンテンツなどのデータを記録しておけるシステムのことです。特にこれまで第三者の信頼を借りて行われてきた重要な契約などを、仲介人を用意することなく安全に行うことができるようになると言われています。

たとえば不動産売買などは、トラブルを防ぐために基本的には不動産会社に仲介を頼んで契約を行います。これを土地や建物の管理者と、購入希望者が直接ブロックチェーンを通じて取引をすることで、仲介が必要ない分安く、しかも安全に行うことができるというわけです。

さらにスマートコントラクトにもいろいろな機能を付随させることができ、音楽データなどのコンテンツの保存や、分散型アプリケーションの開発なども可能となります。

また匿名性機能とは、誰が誰に送金したのか、その詳細を第三者に見られないようにする機能のことです。たとえばビットコインであれば、すべての取引データが公開されているので、アドレスを追跡することが可能です。

しかし匿名性機能のある通貨の場合、「どのアドレスからどのアドレスにいくら送金したのか」という情報を第三者が見ることはできません。つまり、利用者のプライバシー保護に役立つということです。

ただし、匿名性機能があると、犯罪に利用される可能性があるというデメリットもあります。特に金融業界で指摘されているのは、犯罪に使われたお金を交換して追跡から逃れる、いわゆるマネーロンダリング(資金洗浄)に利用される危険性があることです。

日本政府は2017年に資金決済法を改正して仮想通貨取引所を登録制にしましたが、このような匿名性の高い通貨を取り扱う取引所は今のところ認められていません。おそらく今後も日本国内で匿名性の高い通貨を取り扱う取引所が認められることはないので、もしwavesがその機能を実装した場合、国内での取引はできない可能性が非常に高いです。

しかし、大規模な仮想通貨プラットフォームとしてイーサリアムやリスクに続く活躍をするためには、スマートコントラクトや匿名性機能などは必要な条件なのかもしれません。