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コモド(Komodo/KMD)の最新価格・相場・チャート・評価
コモド(Komodo/KMD)の特徴・詳細とは?|高い匿名性と多くの独自システムを備えたプラットフォーム
Komodo(コモド/KMD)は、同じく匿名性を特徴としているZcashのハードフォークにより誕生しました。匿名性とは、誰が誰に送金したかなどの情報を第三者からは判断できないようにする性質です。
匿名性のメリットは、保有者のプライバシーを保護することが出来ることです。一般的な仮想通貨では、取引・送金・決済といった情報がアドレスという形で世界中に公開されています。
公開することでトランザクションが正式に行われたということを証明しているわけです。
しかし公開されているため悪用することも可能です。
アドレスを追跡することでアドレス所有者がどれぐらいの仮想通貨を保有しているのか、どのような相手に送金しているのかなど推察することができます。
匿名性のある仮想通貨であれば、このような情報やアドレスの追跡を逃れることが可能となります。特に大量の仮想通貨を抱えている人にとっては、ハッキングや物理的に襲われる危険性もあるため重要でしょう。
匿名性通貨の問題
一方で匿名性にはデメリットも抱えています。トランザクション情報が公開されないため、マネーロンダリングなどの犯罪行為に利用してもばれにくいという点です。
このようなデメリットもあり、日本では規制により国内仮想通貨取引所では匿名性のある仮想通貨は取り扱われていません。以前はコインチェックがDash・Zcash・Monero・Augerなどの匿名性のある仮想通貨を取り扱っていましたが、2018年1月に発生したネム大量流出事件の事後処理の一環で上場廃止となりました。
元々はZcashだったこともあり、コモドも匿名性の高い仮想通貨です。Zcashと同じくゼロ知識証明により、仮想通貨の所有者を明らかにする方法を採用しています。
ゼロ知識証明とは、著名などがなくとも取引内容や送金相手といった仮想通貨の中身の内容と知っていることで仮想通貨の所有者であることを証明するという方法です。コモドでのゼロ知識証明はzk-SNARKsという技術によって支えられています。
Komodoを支えるゼロ知識証明「zk-SNARKs」
zk-SNARKsとは「zero knowledge-succint non-interactive argument of knowledge」の頭文字をとったものです。
zk-SNARKsの導入することで匿名性が得られるだけではなく、マイニングに必要な情報も省略することが出来るという効果も得られます。zk-SNARKsの導入は、匿名性と承認効率化という2つのメリットを同時に得られるわけです。
このようなメリットもあり、イーサリアムにもゼロ知識証明のzk-SNARKsの導入が検討されています。特に期待されているのはzk-SNARKsによる承認の効率化です。zk-SNARKsの導入によりイーサリアムのトランザクション処理能力は、3200%という大幅向上が見込まれています。
Komodoコンセンサスアルゴリズム「dPoW」
コモドには匿名性以外にも、dPoWやBarterDEXといった機能もあります。dPoWとはDelayed Proof of Work (ディレイド・プルーフ・オブ・ワークス)の略称です。遅延性PoWと呼ばれることもあります。
ビットコインなど多くの仮想通貨はProof of Work(プルーフ・オブ・ワークス)というコンセンサスアルゴリズムを採用しています。
コンセンサスアルゴリズムとはマイナーに対する報酬の支払い方です。PoWでは仮想通貨に施される暗号を真っ先に解読したマイナーだけが報酬を貰えるようになっています。コンセンサスアルゴリズムにはPoW以外にもPoS(プルーフ・オブ・ステイク)、PoI(プルーフ・オブ・インポータンス)、PoC(プルーフ・オブ・コンセンサス)なども存在します。
PoSは将来的にイーサリアムがPoWから以降を予定しており、PoIはネムなど、PoCはリップルなどが採用している方式です。
多くの仮想通貨で採用されているPoWですが、大きな問題点を2つ抱えています。ひとつは報酬を貰えるマイナーが1人だけであるため、他のマイナーがマイニングした分の電気代が無駄になっているという点です。
そして2点目は、ある程度のマイナーが揃っていないと1人あるいは少人数によってマイニングが支配されてしまうという危険性です。特に2点目に関しては、2018年に入って大きく取り沙汰されました。
2018年5月にビットコインゴールド・モナコイン・ヴァージといったPoWを採用していた仮想通貨で、高性能のマイニングマシンを使った一部のマイナーによる不正行為が発覚したのです。
これにより十分なマイナー数が確保できていない銘柄によるPoWの問題点がはっきりとしました。
コモドが採用しているコンセンサスアルゴリズムdPoWの特徴は、他の仮想通貨のマイニングのついでにマイニングが行えるという点です。
これによりマイナー不足に陥ると不正行為される危険性が高まるというPoWの問題点を切り抜けています。
BarterDEX
コモドの2つ目の特徴であるBarterDEXは、ブロックチェーンを使ってゲームなどの開発が行える分散型アプリケーションdapps(Decentralized Applications)のプラットフォームです。
2018年12月現在dappsゲームは数多く開発・リリースされています。
例えばペットの猫を育てたり好きな相手と取引ゲームのクリプトキティーズ、豚を育てたりレースに出走させたりするゲームのくりぷ豚(くりぷとん)といったdappsゲームが既に遊ぶことができます。これらのゲームでは、猫や豚といったペット・ゲーム内アイテム・ゲーム内資金といったものがブロックチェーンで管理されています。
またdappsゲームの特徴として、ゲーム開発に使ったプラットフォームを提供している仮想通貨をゲーム内でも使用する点が挙げられます。
上で紹介したクリプトキティーズやくりぷ豚は、イーサリアムのプラットフォームを使って開発されました。そのためゲーム内でもイーサリアムが通貨として使われています。
場合によってはイーサリアムと固定レートで交換できる通貨を用意しゲーム内で使用しているというものもあります。
なおBarterDEXで開発されたdappsでは、コモドではなくDEXコインが基本通貨となります。
またBarterDEXはアトミックスワップにも利用可能です。アトミックスワップとは取引所などの仲介業者を介さずに仮想通貨の取引相手を見つけてくれる機能です。
本来取引は取引相手が存在することで初めて成立します。しかし取引相手を見つけることは容易ではないため、掲示板などで取引相手を呼びかけたり取引所などが取引相手を見つける仲介業者として機能しています。
アトミックスワップならば自動的に取引相手を見つけてくれるので、取引所に支払う取引手数料や取引所まで送金する手数料を節約することが可能となります。
ただしアトミックスワップにも問題点を抱えています。まずひとつめに、2018年12月現在アトミックスワップに参加している仮想通貨が限られていることです。コモド以外にはビットコイン、ライトコイン、モナコインなどが取引可能となっています。
2つ目の問題点は、通常の送金と比較してマイニング手数料が高くなるという点です。これら2つの問題点もあって、2018年12月段階ではまだ発展途上の技術となっています。
コモド(Komodo/KMD)の強み
コモドは独自プラットフォームとしてdICO(Decentralized Initial Coin Offering)が行えます。日本語では分散型ICOと訳されています。通常のICOと違い、アプリケーションに任せてICOを進行させるという機能です。
2018年12月現在でも、通常のICOは盛んに行われています。
しかしICOを行った仮想通貨の配布が遅れたり、ミスが発覚したりと問題点も多く抱えています。そこでICOの管理を人の手で管理するのではなく、完全にアプリケーションに任せてしまおうというのがdICOの考え方です。
dICOを使ったICOとして、中小企業向けの銀行を目的とした仮想通貨モナイゼがあります。2018年9月1日から2019年3月31日までがICO期間に設定されており、最小目標額100万米ドル、最大目標額1,000万米ドルが予定されています。
またコモドには法定通貨ゲートウェイという独自機能も予定されています。法定通貨とは、日本円や米ドルのように国や地域の中央機関によって発行されている通貨のことです。
法定通貨ゲートウェイとは、コモドと法定通貨を関連付けるというプロジェクトです。成立すれば固定されたレートで法定通貨とコモドを取引することが出来ます。
テザーやトルゥーなどが発行しているステーブルコインと近い考え方です。
この法定通貨ゲートウェイに参加している通貨の数は32銘柄です。中には日本円や米ドル、ユーロなども含まれています。
コモド(Komodo/KMD)の爆上げ時期
コモドは過去に2018年7月、9月、2019年1月などに大幅な高騰を見せています。しかしこれはコモドが注目を集めたとは言い切れません。
同時期にビットコインも大幅な高騰を見せているためです。
コモド(Komodo/KMD)の評価まとめ
コモド(Komodo/KMD)の将来性
コモドの普及の鍵となるのは、アトミックスワップ・dICO・法定通貨ゲートウェイでしょう。
この内アトミックスワップにはシェイプシフトやチェンジリーといった仮想通貨の両替所、法定通貨ゲートウェイにはテザーやトゥルーといったステーブルコインが類似技術として存在しています。
これら類似技術よりもコモドの方が優秀であると世間的に認められる必要があります。
またコモドを始めとする匿名性の高い仮想通貨の重要な問題として、マネーロンダリングなどの犯罪行為に利用されているかもしれない危険性があります。既に国際機関が枠組みつくりを始めているので、完成した枠組みに上手く適応できるかが焦点となります。
なおシェイプシフト・チェンジリーといた両替所も同様に犯罪行為への利用問題を抱えているため、コモドが早く国際機関の枠組みに適応できればアトミックスワップの利用者向上に繋がる可能性も残しています。
ただしアトミックスワップは、まだ参加している仮想通貨が少ないという問題があります。シェイプシフト・チェンジリーは2018年12月段階で既にどちらも40種類以上が対応しているため、この対応数の差を埋める必要があります。
法定通貨ゲートウェイですが、2018年6月にオーストリアの仮想通貨取引所ビットパンダに上場して以降大きなニュースがありません。進捗状況が把握できない状態となっています。
なおビットパンダには法定通貨用のウォレットが用意されており、2018年12月段階では米ドル・ユーロ・スイスフラン・英ポンドが対応しています。
dICOに関しては、まだ未知数の部分が多いです。dICOには明確な利点があるものの、ICOに関しては強豪相手となるプラットフォームが他にも複数存在します。他のプラットフォームとの宣伝・アップデートなどの競争になると思われます。