ステータス(Status/SNT)の特徴・詳細とは?

コミュニケーション・プラットフォームに、ビットコインから始まるブロックチェーン技術の思想やできることを流用するとどのようなことができるでしょうか。それがStatusの目指しているものになり、特徴になります。

Status(ステータス/SNT)は、2017年6月リリースされた総発行量68億枚、イーサリアムのプラットフォームを利用して開発されたスイスを拠点に活動している仮想通貨トークンです。

ステータスはICOで約100億円を調達したことで大きく話題となりました。現在はこの程度の額の調達は珍しくありませんが、2017年に100億円を集めたのは、かなりセンセーショナルな出来事でした。

Status(ステータス)について、特徴とどのような強みがあるのか、これからの将来性と合わせて、詳しく解説していきます。

ステータス(Status/SNT)の最新価格・相場・チャート・評価


Status(ステータス/SNT)の特徴・詳細

スマートフォンの普及による新時代の到来

2007年にiPhoneが発表され、一気にスマートフォンが普及しました。スマートフォンは、基本的に据え置きでの使用でかさばるPCでしかアクセスできなかったインターネットへどこでも接続できるようにしたことでしょう。それまでも携帯電話でインターネットに接続することはできましたが、画面や通信容量が小さかったため、PCと同様の活用をすることはできませんでした。スマートフォンは、人類がインターネットを利用する方法を変えたのです。

そのスマートフォンでどのようにインターネットを使うのが、コミュニケーションをより効果的・効率的にするのかが判明するのには少し時間がかかりました。LINEがサービス開始したのは2011年です。LINEがプラットフォーム化されたのは、2012年7月でした。

アプリ化した個人チャットで絵文字をスタンプに進化させたそのツールは、データ通信を利用することで電話回線を介さずに無料通話ができる点が受け、一気に広まりました。今やLINEは、日本で最も普及しているSNS/コミュニケーション・プラットフォームです。

dAppsを活用したコミュニケーションプラットフォーム

ブロックチェーン技術を利用したアプリケーションは、dAppsと呼ばれます。Statusは、dAppsの先駆けと言えるプロジェクトで、ブロックチェーン技術のLINEのようなコミュニケーションツール&プラットフォームとなり、dAppsに知識がないユーザーも簡単にアクセスできるサービスになることを目標として開発が進められています。

ブロックチェーン技術を利用したLINEのようなサービス(コミュニケーション・プラットフォーム)とはどのようなものでしょうか。それは、当然現行のLINEを超えるものです。

具体的には、仮想通貨を送金できること、スマートコントラクトができることが挙げられます。人間間で交換されるメッセージに、ブロックチェーンによる付加情報を追加しようということです。また、そのサービスは非中央集権による運営となるので、サービス提供会社が得をするようなサービス改変はありません。民主的でみんなが利得を得られる、利用者全体向けの良質なサービスとなる、そのような予想がされています。

しかし、IT業界の常として、LINEの覇権の終焉は必ずやってきます。その時に多くの人に利用される新しいコミュニケーションツールは一体どのようなものなのでしょうか。そこへアプローチしている仮想通貨トークンがあります。それが、この記事で紹介していく、Status(ステータス/SNT)です。

dAppsのコミュニケーション・プラットフォームのメリット

現在の組織は基本的に中央集権体制で運営されていますが、Statusは非中央集権での運営なのです。

銀行などの中央集権システムを使用していない、非中央集権システムには次のような多くのメリットがあります。

サービス終了がない

まず、サービスが永遠に続くことです。普通の企業が営利的に運営するサービスは、収益が得られないサービスを続けることはまずありえません。

しかし、分散型アプリケーションのStatusではサービスが終了してしまう心配はありません。

データが安全

分散型アプリケーションでは、データはネットワーク上での分散管理となるため、あるデータが壊れてしまっても他のデータと整合性を取ることで復元ができます。

これにより、大事なデータが完全になくなってしまうことを回避できます。また、データが中央集権的に管理される場合は、情報漏洩やハッキングのリスクがありますが、Statusであればそのような問題はありません。

全体の利益追求

前述しましたが、企業が営利的に運営する場合、収益性がないサービスは切ってしまいますし、運営者が得するような舵きりをすることで、利用者が不利益を被ることは多々あります。

広告が増やされたり、突然料金プランを変更されたりした経験のある方も多いでしょう。しかし、dAppsでは、利用者の利益が最優先とされます。得をするために舵を切る運営者がいないため、サービスに手が加えられるときはそのサービスをよりよくするため以外に理由がないからです。

トークンのやり取りができる

トークンのやり取りができるということは、決済に利用できる仮想通貨トークンを送金できるということです。コミュニケーションツールでこれができると、利用の幅が格段に広がることは想像に難くありません。

スマートコントラクトが利用できる

Statusはイーサリアムのプラットフォーム上に作成されているので、そこでトークンのやり取りができるということは、スマートコントラクトが栄養できるということになります。

チケットのやり取りや著作権物のやりとり、書類のやりとりを効果的に行い、いろいろなコミュニケーションの効率化を担うようになるかもしれません。

ステータス(Status/SNT)の強み

2018年12月に発売された世界初のブロックチェーンスマートフォン「FINNEY」は、大きく注目を集めました。この「FINNEY」にStatusはプリインストールされています。イメージとしては、「AppStore」や「GooglePay」のような役割を期待されてのことです。

LINEでも、LINEミュージックやLINEバイトなどのプラットフォーム内のサービスがありますが、Statusも同じような、他のdAppsを掲載するプラットフォームになり、そこでdAppsを探したり売買したりすることを見越しています。イーサリアム内でアプリを探そうとすると煩雑な点も多いので、このように情報を整理するStatusのような位置づけのサービスがすると安心なのです。

新しい時代の新しいスマートフォンで利用されるプラットフォームになる可能性を持っている。それがStatusの強みだと言えます。

ステータス(Status/SNT)の爆上げ時期

Statusは2017年7月のリリース後、11月ごろまでは0.05~0.03ドルあたりをよこよこの状態で推移していました。

12月の仮想通貨バブルに乗って値上がりし、2018年1月3日に0.68ドルまで高騰しています。その後、他の仮想通貨とともに値下がりし、0.02ドルを割ってしまいました。2018年12月は0.013~0.016ドルほどで推移し、何度か過去最低価格を更新しています。

ステータス(Status/SNT)の評価まとめ

チャートの動きから一般的なテクニカル分析をすると、今後Statusが大きく値上がりするのは難しいと言わざるを得ません。

もちろん、今後大きな材料があれば話は別です。Statusは今後、大きく注目される可能性はあるでしょうか。考えてみたいと思います。

Statusの将来性

一番の焦点は、Statusの提供するサービスが、LINEに置き換わるかどうか、だと言えるでしょう。

もちろんいつか、LINEに代わるコミュニケーション・プラットフォームは出てきます。もうすぐ5G の高速通信回線の提供が始まり、IoTやAIなど、新しい技術への注目も集まっており、webサービスのパラダイムシフトはもしかしたらすぐそこかもしれません。

ただ、この「すぐそこ」というのがいつなのかわからないことが難しいところです。

現状、誰もが従来のスマートフォンでLINEをそれなりに便利なものとして使っていますが、これに代わるほどの強度をStatusは持っているでしょうか。ICO時にはその期待が金額に現れるほどの勢いはあったのでしょう。しかしそれから1年半ほどが経ち、様々なことが変化した2018年12月現在の状況を鑑みるに、これには首をかしげざるを得ません。

2018年の12月、Statusが従業員の25%を解雇したとのニュースが流れました。残った従業員も減給され、減給の埋め合わせにはSNTが付与されるとのことです。

ICOで調達したイーサリアムが3分の1まで下落したこと、融資元の銀行とのトラブルなどが原因とされていますが、このニュースは普通に企業が倒産するときの流れで、あまり印象がよくありません。減給の埋め合わせにSNT付与というのも、あまり好意的に捉えられる話ではないように思います。Statusは今、我慢の時期だと言えるでしょう。