シンガポールの主権国家資産ファンドであるTemasek Holdings(テマセク ホールディングス)社の傘下ベンチャーキャピタルであるVertex Ventures(バーテックス ベンチャー ホールディングス)社が、仮想通貨交換取引所であるBinance(バイナンス)に対して出資していたことが明らかになった。
バーテックス ベンチャー ホールディングスでは、バイナンスが法定通貨での取引に対応した取引所をシンガポールに開設するのをサポートしていくようであり、今回の投資額今のところ判明していない。
Singapore will be one of the hubs in Asia. https://t.co/2TMF6mCpII
— CZ Binance (@cz_binance) October 23, 2018
バーテックス ベンチャーはテマセク ホールディングスを親会社に持ち、2015年に設立されたのち現在は、米国やインド、中国、イスラエルや東南アジアのポートフォリオの管理を行っている。バーテックス ベンチャー ホールディングスの現在の運用額は約25億ドル程度となっている。
またバーテックス ベンチャーの親会社にあたるテマセク ホールディングスは、1975年に設立されたシンガポール政府が所有する投資会社であり、世界で最も高評価な投資会社の一つとされている。テマセクが保有する株式は非常に多岐にわたっており、金融や通信、不動産や資源、エネルギー、交通、メディア、テクノロジーなどと、幅広い分野での株式を保有している。またシンガポール財務省がテマセクホールディングの株式を100%保有しており、同社のCEOは現シンガポール首相であるリー シェンロン氏の夫人であるホー チン首相夫人が務めている。
今回の出資に関するバイナンスとバーテックス ベンチャーによる共同発表によれば、バイナンスは今回調達した資金を、同社がかねてから計画していたシンガポールでの法定通貨取引可能な仮想通貨取引所開設に使用する予定だという。バイナンスによれば取引所は年内に開設予定だという。また、東南アジア各国での新たな仮想通貨取引所開設や、仮想通貨関連サービスの拡大にも資金を充当していくそうである。
その一方で、バイナンスの最高財務責任者であるWei Zhou氏は、「シンガポールでバイナンスが仮想通貨取引所を運営していくためには、KYC(本人確認)及び、AML(アンチマネーロンダリング)のコンプライアンスに左右されるだろう。」と話ている。
また、バイナンスは先月、3日間限定でシンガポールドルでの取引が可能な仮想通貨取引所のベータテストを招待者限定で行なうことも明らかにしていた。