VisaとTransak、145カ国で仮想通貨から法定通貨への出金を提供へ

VisaとTransakの提携により145カ国で仮想通貨から法定通貨の出金提供へ

決済大手VisaとTransakの2社が、仮想通貨の大量導入に関する悩みの1つである、デジタル資産から不換紙幣への交換に取り組むために協力していることが明らかになった。

米国の大手決済事業者であるVisa(ビザ)とDApps(分散型アプリケーション)開発事業者向けに法定通貨による仮想通貨の売買に係る決済インフラを提供しているTransak(トランサック)が提携。2024年1月30日(火曜日)、に両社は、145カ国以上で仮想通貨からカードへの直接引き出しを提供することで、仮想通貨と伝統的な金融の世界のギャップを埋めるためのパートナーシップを発表した。

Visaはデジタル決済の世界的リーダーであり、Transakは仮想通貨とNFTの決済インフラ構築を専門として居る企業だ。両社はともにユーザーが米ドルのような不換紙幣をビットコイン(Bitcoin/BTC)のような仮想通貨に変えることを可能にするオンランプは、参加者がデジタル資産を現金化することを可能にするオフランプよりも注目を集めていると指摘。両社は声明の中で、このような状況はしばしばユーザーを仮想通貨市場から退出できないようにしたり、現地の規制に反する可能性のある出金方法を奨励したりすると述べている。

Visa Direct and Global Ecosystem Readiness(日本語訳:Visa Direct とグローバル エコシステムへの対応)の北米責任者であるヤニルサ・ゴンザレス・オレ(Yanilsa Gonzalez-Ore)氏は、安全な規制チャネルを通じたリアルタイムの決済がこれを解決すると述べた。

より多くの仮想通貨supportが仮想通貨から法定通貨返還への選択肢増へ

Visa Directを通じてリアルタイムのカード引き出しを可能にすることで、Transakはユーザーにより速く、よりシンプルで、よりつながりのある体験を提供している。

Transakのサミ・スタート(Sami Start)共同設立者兼CEO(最高経営責任者)は、同社が40以上の仮想通貨をサポートしていることは、仮想通貨からフィアットへの変換の選択肢が多いことにつながると述べている。また、Transakのマーケティング責任者兼投資家向け広報責任者であるハルシット・ガンワール(Harshit Gangwar)氏は次のように指摘している。

今回の提携により、仮想通貨を不換紙幣に変換する選択肢が大幅に拡大し、仮想通貨と伝統的な金融の世界の架け橋となる大きなマイルストーンがもたらされる。


Visaによる仮想通貨ユースケースを積極的に模索

今回のパートナーシップにより、145カ国のユーザーは中央集権的な取引所に頼ることなく、少なくとも40の仮想通貨を直接フィアット(法定)通貨に変換できるようになる。

Transakはさらに、MetaMask(メタマスク)やDecentraland(ディセントラランド)のような350以上のウェブ3ウォレットやDeFi(分散型金融)プラットフォームで存在感を示している。

一方で、決済業界における世界最大の企業のひとつであるVisaは、近年、仮想通貨のユースケースを積極的に模索。2020年に同社はブロックチェーン企業Circle(サークル)と提携し、USDコイン(USDCoin/USDC)をサポートすることで、仮想通貨への大きな一歩を踏み出している。さらに2023年9月、Visaはソラナ(Solana)ブロックチェーン上で決済されるUSDC決済のサポートを展開。ステーブルコインのサポートを拡大し続けており、仮想通貨業界においての魅力的な展開を続けている。

このパートナーシップは、昨年(2023年)仮想通貨の所有者が飛躍的に増加した際に実現したものであり、2023年に世界の仮想通貨利用は34%増加し、ビットコインとイーサリアム(Ethereum/ETH)は世界で5億8,000万人の利用者を記録している。