WLFI、「非公式」TRUMPウォレットによる家名使用をめぐって差し止め命令
トランプ一族が一部所有するワールド・リバティ・ファイナンシャル（※以下、WLFIと表記）は、「TRUMPウォレット」の開発をめぐり、ファイト・ファイト・ファイトに使用停止命令を出した。
WLFIは、トランプ氏のミームコインを開発するファイト・ファイト・ファイトに対し、TRUMPウォレットをめぐる紛争で使用停止命令を出した事を大手メディアのブルームバーグが2025年6月5日（木曜日）に報じた。
この紛争は、ファイト・ファイト・ファイトが今週初め、NFT（非代替性トークン）マーケットプレイスMagic Eden（マジック・エデン）と提携し、デジタル資産の取引・保有のための“公式TRUMPウォレット”を開発していると発表。このウォレットは、マジックエデン、その子会社Slingshot（スリングショット）、TRUMPミームコインのチームによって作成され、“公式” TRUMPウォレットとして発表された。
これに対してエリック・トランプ（Donald Trump Jr.）氏とドナルド・トランプ・ジュニア（Eric Trump）氏は、TRUMPウォレットが承認なしに立ち上げられたことを知り、マジック・エデンに対して法的措置を取ると警告。
TRUMPウォレット側は沈黙か
報道によると、その後WLFIは、Gettrumpmemes.comを所有し、トランプ氏ミームコインの発行にも関わるFight Fight Fight LLCに対し、差し止め命令を出したという。
この差し止め命令は、マジック・エデンとミームコインの運営チームが、トランプ氏の名前が入った仮想通貨ウォレットの順番待ちリストを公開したことを受けて出されたと報じられている。
ドナルド・トランプ・ジュニア氏はソーシャルメディアでこのウォレットを批判。エリック・トランプ氏は「承認されておらず、社内の誰にも知られていないプロジェクトで当社の名前を使用することは極めて慎重になる」と投稿。WLFIは、トークン利回りの創出に重点を置いた独自ウォレットを開発しており、ドナルド・ジュニア氏によってWLFIが独自公式ウォレットを近々リリース予定であることが明らかにされた。
両氏らは、トランプブランドを使用した2つの異なる仮想通貨ウォレットが存在することになるかもしれないと述べており、ユーザーと投資家の間で混乱が生じるリスクが高まることを危惧している。
この法廷闘争は、仮想通貨界における政治家と関連のあるデジタル資産のブランド化の複雑さを浮き彫りにしている。なお、このウォレットのXアカウントは停止されたままである。
