ハッカーから仮想通貨を守る探偵が需要増加によって大金を稼ぐ

ハッカーから仮想通貨を守る探偵が大金を稼いていた

仮想通貨をハッカーから守る業務を手掛ける企業は最近、コードを精査して弱点を探し、バグ探しサイトを運営するなど、処理しきれないほどのビジネスを抱えており、大金を稼いでいることが明らかになった。

米国のブロックチェーン分析を手掛けるChainalysis(チェイナリシス)によると、北朝鮮のハッカーを含む犯罪者たちが、仮想通貨業界を支える広大なソフトウェア・インフラをますますターゲットにしているなか、このようなビジネスに需要が拡大しているとのこと。実際、このように多くの問題があるため、仮想通貨セキュリティサービスは優先的な支出項目から、新興企業やコミュニティ主導型プロジェクトにとって、必須項目へと移行しつつある。そのような中、仮想通貨業界では大量解雇(レイオフ)が常態化しており、これらの企業は雇用を増やし、価格を引き上げ、新たな資金を獲得しているとのこと。仮想通貨スタートアップ企業Morpho Labsのポール・フランボット(Paul Frambot)CEO(最高経営責任者)は次のように述べている。

私たちはこれまで、監査にすこぶる多くのお金を費やしてきました。私の意見では、DeFiではセキュリティが十分に考慮されていません。


保護に対する要求の高まりに敏感な投資家

民間企業と投資家の活動に関する市場情報を提供するビジネス分析プラットフォームCB Insightsによると、投資家は、保護に対する要求の高まりに敏感になっているという。

VC(ベンチャーキャピタル)企業は2022年初頭からこれまでに、仮想通貨の監査とセキュリティの企業に2億5,700万ドル(約353億円)を注いでおり、2021年全体の1億8,500万ドル(約254億円)を上回ったとのこと。というのも、2016年のBitfinex取引所のハッキングから、2021年のPolyNetworkプロトコルの悪用まで、仮想通貨ハッキングはおよそ10年間の間でこの業界に常態化するようになっているのが現状だ。

また、Chainalysisの推定によると、ブロックチェーン用に設計されたコインを別のブロックチェーンで使用できるようにするソフトウェアプラットフォームである、仮想通貨ブリッジへのハッキングは、2022年の最初の7カ月間に盗まれた総額の3分の2以上を占めているとのこと。

ブロックチェーン監査人の給与は年間40万ドルに

一方で、仮想通貨の人材紹介会社Plexus Resource Solutionsの創設者であるゼット・クセイロ(Zeth Couceiro)氏によると、経験豊富なブロックチェーン監査人の給与は年間40万ドル(約5,500万円)にものぼると明かしたうえで同氏は次のように述べている。

その理由は、コーディングのバックグラウンドを持ちながら、脆弱性を確立するためにアーキテクチャを理解する必要があるからです。

彼らの給与は平均で、最大の仮想通貨プログラミング言語の1つであるSolidityに注力する開発者の給与を20%ほど上回っているとされ、その需要の大きさを物語っている。