バイナンスCEO、ガンバリアン氏の健康危機に米国政府に再懇願=釈放の声が強まる

バイナンスCEOがガンバリアン氏の健康危機に米国政府に再懇願

ナイジェリアが最大の仮想通貨取引所バイナンス(Binance)に対してマネーロンダリング(資金洗浄)と脱税を理由に起こしている訴訟が激化しており、2024年8月27日、バイナンスのリチャード・テン(Richard Teng)CEO(最高経営責任者)は、拘留中に容態が悪化したバイナンスの従業員で元連邦捜査官のティグラン・ガンバリアン(Tigran Gambaryan)氏の健康状態が悪化したため、米国に介入を要請した。

バイナンスのCEOは、ナイジェリアに6カ月間拘留されているガンバリアン氏について、ナイジェリア政府の申し立てを「根拠がない」と非難したうえで、釈放の再懇願と、米国政府と世界の支援団体に対し、ガンバリアン氏のナイジェリアでの釈放を確保するために「政治的圧力をかける」よう要請。同CEOと家族は、ガンバリアン氏が2月からナイジェリアで不当に拘束されていると主張し、行動を呼びかけている。

現在、業界のリーダーらは、ガンバリアン氏の釈放をナイジェリア当局に求める要求を強めている。2024年8月27日(火曜日)付けのブログで、同CEOは、拘束による「潜在的に回復不可能な身体的・精神的影響」への懸念を挙げている。人道的見地からガンバリアン氏の釈放をナイジェリア政府に強く求めており、当局がガンバリアン氏の拘束を、仮想通貨取引所に関する「根拠のない疑惑」で正当化したと主張した。

ガンバリアン氏の容態が危篤

同CEOは、ティグラン氏が精神疾患と重度の痛みに苦しみ、椎間板ヘルニアで歩行不能になっている事から、政治的圧力を要求。

BRING TIGRAN HOME『Plea from Yuki Gambaryan to free her husband Tigran Gambaryan(日本語訳:ユキ・ガンバリヤンさんから夫のティグラン・ガンバリャンさんの解放を求める嘆願)』より動画引用

※動画は全編英語で放映されており、日本語訳が必要な場合は、画面右下の「字幕」をクリックした後、右隣に表示されている「設定」をクリック。表示されたメニューの中から、「字幕」⇒「自動翻訳」⇒「日本語」の順に設定することで、大まかな日本語訳が表示されます。

こうした医療上の問題にもかかわらず、ナイジェリア政府は彼に適切な医療や弁護士へのアクセスを提供することを拒否しており、真実とは程遠く、バイナンスに対する申し立てについて無実の従業員を投獄する理由はナイジェリアにはないと述べた。これは違憲であり、このような医療上の懸念を踏まえたうえで、報告書で次のように指摘している。

は米国、タイ、そして最近ではブラジルとインドを含む世界中の国々で、政府と合理的かつ協力的で友好的な方法で問題を解決してきた。これらはすべて、従業員に脅迫や危害を与えることなく行われた。米国政府と世界中の国民および組織に対し、人道的見地からティグラン氏の釈放を確保し、ナイジェリアの不当な拘留慣行に抗議するよう政治的圧力をかけるよう強く要請する。

なお、報告書でナイジェリア政府がバイナンスが通貨下落の原因であると主張していることを否定し、政府が2023年6月に通貨のペッグ制を終了したことなど、さまざまなマクロ経済要因がナイラの下落に影響を与えた可能性があることを示唆。一方で、ナイジェリアがバイナンスにとって重要な市場であったことは一度もないと強調している。