仮想通貨億万長者の数は1年でほぼ倍増の95%増加

仮想通貨億万長者の数が1年でほぼ倍増

仮想通貨億万長者の数は、スポットビットコインETF(上場投資信託)やその他の仮想通貨資産の急増により、2024年にほぼ倍増し、172,300人に達し、2023年の2倍以上となっている事がわかった。

「Worldwide Crypto Wealth Statistics(日本語訳:世界の仮想通貨資産統計)」より画像引用

New World Wealth(ニューワールドウェルス)とHenley & Partners(ヘンリー・アンド・パートナーズ)による最新調査レポート「Crypto Wealth Report 2024」によると、スポットビットコインETFや、その他の仮想通貨の上昇により、世界の仮想通貨億万長者の数は過去1年間で95%急増。最新の富裕層調査によると、世界中のビットコイン億万長者の数は2023年と比較してほぼ倍増しており、現在、世界中で100万ドル以上の仮想通貨を保有するユーザーは17万2,300人で、2023年の同時期8万8,200人から95%増加。データによると、同じ期間にビットコイン億万長者の数は2倍以上の85,400人に達した。

仮想通貨の資産も大幅に拡大しており、現在325人が仮想通貨を1億ドル(約144.5億円)以上の仮想通貨を保有する“センチミリオネア”に分類され、28人が仮想通貨の億万長者となっている。報告書では、このような急増は、スポットビットコインETFの成長によるものだと分析。スポットビットコインETFは1月の立ち上げ以来、500億ドル(約7.2兆円)以上の資産を蓄積しており、機関投資家による参加が急増している。

New World Wealthの調査責任者アンドリュー・アモイルズ(Andrew Amoils)氏はCNBCのインタビューでデータについてコメントし、2023年に誕生した6人の新しい仮想通貨億万長者のうち5人はビットコインのおかげで富を築いたと指摘し、「大量保有する長期投資家を引き付ける上でのビットコインの優位性」を強調した。

仮想通貨友好国を求める投資家たち

仮想通貨は富だけでなく、富裕層が住み働く場所の人口統計も変えており、Henley & Partnersのアナリストは、仮想通貨で新たに富を得た人々の多くが、税制や仮想通貨に優しい管轄区域への移住を求めていると指摘し、次のように語っている。

仮想通貨で富裕な顧客が代替の居住地や市民権の選択肢を求めるケースが大幅に増加している。

Henley & Partnersは、税制や規制環境に基づいて国をランク付けする指標を開発し、シンガポールを「支援的な銀行システム、多額の投資、決済サービス法などの包括的な規制、規制サンドボックス、世界基準への準拠」を理由にトップの座につけた。シンガポールに続いて香港が2位、アラブ首長国連邦と米国もトップ移住先となっている。