EUは、銀行に仮想通貨からの撤退を強制するかどうかを決定するために投票へ

EUが銀行による仮想通貨からの撤退可否投票へ

EU(欧州議会)は、仮想通貨クライアントからのすべての潜在的な損失をカバーするため、銀行に十分な準備金を保有することを義務付ける法律の投票を実施したことが明らかになった。

EUは1月24日(火曜日)、仮想通貨市場を銀行や金融から切り離すため、仮想通貨会社からの損失の合計が100%を超える準備金を銀行に保有させる法律案を採決する予定である。ロイターの報道によると、投票に上った修正案の1つは、仮想通貨資産へのエクスポージャーを持つすべての資本に1,250%のリスクウェイトを設定するよう銀行に要求するもので、これは銀行があらゆる潜在的損失の100%をカバーできることを意味するものである。

新法にはバーゼルIII要素を盛り込む

新法は、バーゼルIIIの最後の要素を含むように起草されており、銀行が納税者に頼ることなく市場の衝撃に対処できるよう、より多くの資本を保有することを求める世界的な協定として知られている。

バーゼルIII(Basel III)とは…
グローバル事業展開する金融機関に対し、世界的金融危機の再発を防ぐ目的で自己資本の強化に努めるように策定された規制の事

ロイターの記事は今回の改正が世界のシャドーバンキング(※地下銀行や闇銀行と呼ばれる)部門にどのように適用されるのかにも注目が集まっている。修正案は、シャドーバンキングへのエクスポージャーの制限を銀行に義務付ける可能性を検討する欧州委員会の報告書を求めるものである。これは、一般的に規制の緩やかな方法で行われる銀行業務に使われる用語で、世界の銀行部門の約半分を占めると言われる保険会社、ヘッジファンド、投資ファンドにも適用される予定だ。実際、現在のヨーロッパから発信されているすべての法律や声明は仮想通貨業界にとって厳しいものであり、その活動能力を厳しく抑制するように設計されていると言える。

仮想通貨業界は約1兆円の小さな資産クラス

仮想通貨には長年にわたり適切な規制がなかったため、一部の悪質業者がこの領域で活動することを許してきたとも言えるため、適切な規制が必要であるとの声も多い。

一方で、業界を罰し抑制するために仮想通貨プロジェクトを適切に規制することで、銀行業界は自ら招いた悲惨な状況を解決する手段になると考えている。しかし、仮想通貨業界は価値にして約1兆円の小さな資産クラスであり、伝統的な金融業界が何百兆もの価値を保有していることを考慮するとまだまだ小さな規模であることがわかる。そのため、ヨーロッパで囁かれている、仮想通貨の繁栄による金融崩壊という可能性については、現実的ではないとの指摘もあり、さまざまな議論を呼んでいる。