マレーシア・サラワク州警察とエネルギープラントが違法マイニング事業を解体

マレーシア国営電力会社と現地警察が違法マイニング場を撤去

マレーシアの国営電力会社サラワクエナジー(Sarawak Energy)社と地元警察は、マレーシア・サラワク州ミリ(Miri)に設置されたとされる仮想通貨マイニングキャンプの解体を発表したことが現地メディアの報道によって明らかになった。

マレーシアのミリにあるマリーナスクエアのショップハウスで、電気窃盗の疑いのある地下仮想通貨マイニング業が発覚。同州警察とサラワク・エネルギー工場の代表者は、この作戦の成功は一般大衆からの密告によって可能になったと明らかにした。これにより、マレーシアのサラワク州エネルギーと警察は、約34の特定用途向けASIC(集積回路)マイナーとその関連接続を摘発。サラワクエナジー社の責任者は、次のように述べている。

直接盗聴ケーブルやサーバーなど、マイニング作業に使用されたすべての機器が押収されました。警察に通報が提出され、現在捜査が進行中である。


ビットコインマイニングエコシステム競争はさらに激化か

違法マイニング活動の発覚は、ビットコイン(Bitcoun/BTC)のネットワーク困難が2023年に記録的なレベルに達する中で起きており、マイニングエコシステム競争は非常に激しくなり、一部専門家は、この競争がさらに悪化すると示唆している。

これは、ビットコインの半減期が 2024年4月に予定されていることに起因しており、多くの専門家は、ネットワークが過去最高レベルに達しているため、報酬に達するのは困難になる可能性があると述べている。というのも、1BTCをマイニングするのに企業にかかるコストは 30,000ドルに達すると推定されており、報酬はわずか 3.125 BTCになり、コストが高く効率の悪いマイニング作業をしているため、マイナーのほぼ半数が苦しむことになるとの見解を示している。

さらに、世界の他の地域と比較して、マレーシアの電気料金は比較的安く、サラワク・エナジー社は、ここ数年で電力盗難事件が急増していると報告している。この特定のケースでは、エネルギープラントに月額 6,000 リンギット(約19万円)の費用がかかったと推定されており、電力窃盗は電力条例第33条第5項に基づく重大な犯罪である。有罪となれば最高10万リンギット(約317万円)または懲役5年、あるいはその両方が科せられると同社は警告した。

マレーシアでは仮想通貨マイニングによる電力盗難が深刻な問題に

マレーシア当局はセナディン州の仮想通貨マイニングファームに関連したさらに 3 件の電力盗難計画を取り締まりを実施ており、深刻な問題となっている。

法執行機関が捜査を続ける中、137台のASICデバイスが現場から押収されている。2021年2月、マレーシア当局はビットコインマイニングのために215万ドル(約3億円)相当の電力を盗んだ容疑で7人を逮捕したほか、2021年7月、マレーシア当局は違法操業を理由に押収した後、120万ドル(約1.7億円)以上のビットコインマイニング装置を破壊している。また、同月にミリ当局は、操業のため電気を盗んだ疑いで仮想通貨マイナーからマイニング機器1,069台を押収。7月27日に発表された報告書によると、サラワク・エナジー社は、地下での直接盗聴やメーターの改ざんなど、こうした盗難を検出するために必要なツールとメーター検査チームを保有しているという。

なお、報告書では、このエネルギー会社が公開情報にも依存しており、不審な活動があればサラワク・エナジー・カスタマー・ケア・センターに報告し続けるよう地元住民に奨励しているとに述べている。