米国議会が中国投資をめぐりブラックロックを非難

米国議会がブラックロックとMSCI投資を非難

世界最大の資産運用会社であるブラックロック(BlackRock)は、米国下院の中国委員会からの厳しい非難に直面し、注目を集めている事が大手メディアの報道によって分かった。

共和党と民主党の両方の議員で構成されるこの委員会は、軍事進出や人権侵害に関与している中国企業へのブラックロックの投資を追跡している。こうしたつながりは眉をひそめると同時に警鐘を鳴らすものでもある。ブラックロックとアメリカ合衆国・ニューヨークに本拠を置く、金融サービス会社のMSCIは、中国軍に関連するグループへの米国資本の「大規模な流入を促進」しているとみなされている。これは国家安全保障の脅威について大きな懸念を引き起こし、倫理的な投資慣行について深刻な疑問を引き起こしている。

さらに問題視されているのは、ブラックロックが中国企業に投資する米国のインデックスファンドを提供する資産運用会社16社のうちの1社にすぎないという事実だ。同社は適用される米国政府法をすべて順守していると主張し、自社の行動を擁護しようとしているが、問題はさらに根深い。委員会の幹部らによると、「米国の利益に直接反する」行動をとっている中国の団体に少なくとも4億2900万ドル(約614億円)が投資されており、その道徳的影響は深刻かつ広範囲におよんでいる。

中国の影響力とのより大きな戦い

ブラックロックに対するこの厳しい監視は、中国の影響力と米国の技術へのアクセスに対抗する広範な取り組みの中で行われている。

バイデン政権は、中国の敏感な分野に投資する米国企業に対する監視を強化する大統領令を発令する寸前だ。これらの分野には、マイクロチップ、量子コンピューティング、人工知能などの最先端の分野が含まれている。同命令は、企業に特定の投資について政府に通知し、さらに特定分野への投資禁止を設けることを義務付ける仕組みを創設することを目的としている。

ブラックロックがブラックリストに掲載された20以上の中国企業への投資を促進したという事実は、コンプライアンスと倫理的配慮に関して重大な懸念を引き起こしている。ブラックリストに載っているグループが同社の中国A株指数の価値のほぼ5%を占めているMSCIと並び、ブラックロックの関与により、なぜこの2社だけに調査が集中するのか疑問の声も上がっている。

ただし、この問題はブラックロックやその他の特定の資産運用会社だけに関するものではなく、米国の投資が国の利益を損なう可能性のある分野に流入することを可能にするシステムの失敗に関するものだ。これらの投資の影響は金銭的なものだけでなく、政治的、倫理的な面にも深く影響する。議員らは企業に対し、米国のブラックリストへの登録、国家安全保障、人権などの要素を考慮するかどうかを含め、中国に関連する投資意思決定プロセスを明確にするよう求めている。

ブラックロックのような大手資産運用会社が疑わしい企業に投資すると、金融市場をはるかに超えた波及効果が生じる可能性がある。

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