デジタル人民元の責任者、決済アプリWeChatやAlipayと競合することはない

デジタル人民元は決済アプリとは競合しない

中国のDCEP (Digital Currency Electronic=デジタル人民元)は、25日(日曜)にWeChatPayやAlipayと競合することはないとプログラム責任者が明言した。

South China Morning Postによると、ChatPayやAlipayなどのデジタルウォレットは、第2四半期に国内モバイル決済業界の合計94%のシェアを占めており、ム・チャンチュン(Mu Changchun氏は上海で開催された中国金融40フォーラム共催の「第2回外灘サミット」で講演した中国の中央銀行にあたる中国人民銀行デジタル通貨研究所責任者のム・チャンチュン氏は述べた。

これらは同じ次元に属していない。WeChatとAlipayはウォレットだが、デジタル人民元は財布(ウォレット)の中の“お金”です。

上海を拠点とする金融業界コンサルタント会社Kapronasiaのフィンテックコンサルタントであるワン・レイレイ(Wang Leilei)氏によると、デジタル人民元は、一部の消費者がプライベートモバイルウォレットの代わりに使用することを選択できるアプリを通じて配布されるとのこと。

ワン氏は、今月初めに深センで行われたパイロットランの参加者は、DCEP用の特定アプリをダウンロードするように求められたと述べている。

デジタル通貨をアプリから割り当てる場合、アプリに切り替える人もいれば、WeChatやAlipayに送金する人もいる。それは消費者とユースケースに依存する。

人々はデジタル人民元を使用できるようになるが、現金と同様に古くからの問題視されている“偽造”問題に直面している。私たちは市場で偽造デジタル人民元ウォレットを見つけたとム氏はサミットで語った。

デジタル人民元のパイロットテストと課題点

中央銀行は現在、中国南部の深センの指定機関や加盟店との最初のDCEPトライアルを実施しており、同市は地方自治体が抽選で47,500人以上に1,000万元(約15,000円)を付与した後、今月、国内最大のソブリンデジタル通貨(法定デジタル通貨)のテストを終了した。デジタル元は、指定されたショップで使用できる200元を含む“赤い封筒”として授与され、合計190万人の住民がプレゼントに参加するために申し込みしたとのことだ。

中国CBDCテスト当選者、95%がデジタル人民元を使用

2020.10.20

ワン氏は、DCEPに精通していないユーザーが詐欺師の標的になる可能性があると述べ、消費者はだまされて、中央銀行とは何の関係もない不正なデジタル通貨スキームにさせられてしまう可能性があるという。また偽通貨は認可された商人では使用できないと警告している。ワン氏の見解に対しム氏は、偽造を減らすにはデジタル通貨を一般ユーザーに提供することを任務とするさまざまな調整が必要になると述べた。

DCEPは現在、デジタル人民元を発行する中央銀行と、ユーザーに通貨を配布する商業銀行などの指定機関の2層間で動作している。ムー氏によると、デジタルウォレットは独自の視覚的アイデンティティと機能を形成する必要もあるとのことだ。

指定事業者を結び付け、支払いの障壁を減らすためには、ビジネスや技術だけでなく、セキュリティやアプリケーションの標準策定する必要があるとム氏はスピーチの中で述べた。また、オペレーターはより多くの支払いや金融商品を含む独自機能の開発に取り組むべきであると述べている。さらに同氏は、中央銀行からの「集中監視」の必要性を強調。デジタル人民元とFacebookが支援するLibraのような民間デジタル通貨を明確に区別し、DCEPは仮想通貨と世界的なステーブルコインの侵食に抵抗できると述べた。

ム氏が集中化に重点を置いていることで、デジタル人民元はP2P(ピア・ツー・ピア)ネットワーク上の分散型ブロックチェーン上で実行されるビットコインなどの仮想通貨からも分離されている。

ム氏は昨年、中国人民銀行は新しいデジタル通貨を管理するための技術的アプローチ1つを検討しているのではなく、ブロックチェーンがそのツールの複数の中の1つである可能性を示唆している。

ABOUTこの記事をかいた人

はじめまして!仮想通貨やブロックチェーンの国内外の仮想通貨や関連ニュースを通して、ためになる知識をどんどん吸収していきたいと猛勉強中!。 普段は鳥の声さえずる緑豊かな田舎で2児の子供とバタバタしながらの~んびり暮らす、スローライフに憧れるちょっぴりドジな母の一面も。 将来は、田舎に広い庭のある小さなお家に住むぞ~!