中国CBDCテスト当選者、95%がデジタル人民元を使用
中国デジタル人民元の当選者がデジタル人民元を受け取り、そのうち95%がCBDCを使用している事がわかった。
実証実験で使用されている中央銀行デジタル通貨(CBDC)は、通称「デジタル人民元」と呼ばれ、実証実験において総発行枚数1,000万元(約1億5,700万円)が配布されている。これは抽選で1人あたり200元(約3,200円)が配布され、個人のスマートフォンを通じ、専用アプリをダウンロードして使用することが可能である。
18日時点で、中国の5万人のデジタル人民元当選者のうち合計47,573人が同通貨を受け取ったことが、深セン当局は正式に発表している。この発表によると当選者は、合計で62,788件の取引を行い、880万元(約1億4000万円)を使用した。この金額は深センのパイロットで配布予定の合計1000万元の約88%を占めている。
CBDCパイロットプログラムは10月9日に実証実験を開始しており、このパイロットプログラムでは、深セン羅湖区によって資金提供がされ、5万人に配布された。また深センの住民は、10月9日にオンラインでプレゼントに参加するための申し込みを開始できると発表していた。今回のデジタル人民元プログラムには、合計200万人もの参加申請があったようだ。
パイロットプログラムでの注意喚起として、宝くじ当選者は10月18日までにデジタル人民元パケットを使用しない場合、主催者は未使用のデジタル人民元パケットの返還指示を発表している。
中国人民銀行(中央銀行)は幾つかの都市でデジタル人民元のテストを4月に開始している。また、中国ではすでにキャッシュレス・モバイル決済が普及しているが、現時点でこうした分野を主導しているのはアリババグループ系の「アリペイ(支付宝)」やテンセント・ホールディングス(騰訊)の「ウィーチャットペイ(微信支付)」。デジタル人民元の登場は経済により広範な影響をもたらすことになる。