日本銀行が実験的デジタル円発行プロジェクト始動へ

日銀が2023年に実験的デジタル円を発行予定

日本銀行(※以下、日銀と表記)は、開発を悩ませるさまざまな問題にもかかわらず、2023年初頭に実験的なデジタル円を発行する予定であることが明らかになった。

報道によると、日銀は有名な金融機関数社と協力し、CBDC(中央銀行発行デジタル通貨)を現在の設計段階でテストする計画を開始しており、同銀行がすでに協力する3つの銀行を起案していることに触れている。まもなく開始されるこのテスト段階は、正式なCBDCが最終的に開始されたときの運営方法を強調するデモ段階であり、その協力の一環として、銀行は顧客の銀行口座の入出金に関するすべての主要な問題を解決することが期待されている。また、このフェーズでは、CBDCのオフライン機能を判断するためのテストも行われる予定で、日本銀行はインターネットを介さない決済を行うために、CBDCに焦点を当てようとしている。

日銀はCBDC正式発行について未定と断言

日銀は、今後2年間は実験を行い、実験終了後にCBDCを発行するかどうか選択すると言及しており、現段階ではCBDCが発行されるかどうかについては未定だ。

さらに、同プロジェクトでは、自然災害時やインターネット接続がない状態でもインフラが稼働するかどうかも確認する予定とのこと。それでも日銀総裁は2022年5月、日銀はリテール向けCBDCを立ち上げるかどうかまだ決めていないが、国内の安全でシームレスなインフラを確保するのに役立つと前向きな姿勢を見せている。実際、いくつかの国がCBDCを創設または開発するための準備を強化していることを受けて発表されたもので、いくつかの国はオンラインCBDCの簡略版を設立している。

各国のCBDC事情

中国は完全で実用的なCBDCを開発するレースをリードしている。中国のみならず、インド準備銀行もCBDC開発では主導権を握っており、同銀行は、CBDCを完全に設計・開発するために、国中の金融機関と提携しているほか、ニューヨーク銀行は、国内のいくつかの銀行と提携して、12週間にわたるCBDCのテストを実施すると発表している。

一方で、世界のほとんどの銀行がCBDCの構築に取り組む中で、CBDCの構築の追求をあきらめることを選択した銀行もあり、デンマークを例にとると、デンマークは民間セクターの困難さなどいくつかの要因を脱落の理由として挙げている。ほかにも一部の仮想通貨愛好家は、CBDCが権威主義的な政権の権力を強化するツールになりかねないと警告している。実際、ナイジェリアでは、電子ナイラの導入開始後1年で、利用者は人口のわずか0.5%にとどまっており、国民は民間の仮想通貨を好んでいることから、支配層に対する不信感とある種の混乱を招く結果になったとのこと。