米国公聴会、中央銀行の仮想通貨導入に関して「最悪の財務的アイディア」

18日、米国議会小委員会は、デジタル通貨関連の公聴会を行った。
公聴会では、仮想通貨の今後の展開、ブロックチェーン技術、中央銀行の仮想通貨導入(CBDC)について議論した。

中央銀行の仮想通貨導入に関して、R Street instituteの上級研究員であるAlex Pollock氏は次のように述べた。

中央銀行が仮想通貨を使用することは、近年で最悪の財務的アイディアの一つだが、考えられることではある。

ポロック氏はさらに、「中央銀行の仮想通貨導入を連邦準備制度理事会(FRB)が選択すれば、それが米国の経済・金融システムの形になる。」と付け加えた。

ポロック氏は、現在のお金がデジタル化されても性質は変わらず、今のように中央銀行によって発行されるだろうと考えている。

また、仮想通貨が代金として機能出来るのかについて、カリフォルニア大学経済学教授は

概念的に考えると、仮想通貨はある程度”通貨”と言えるが、現時点ではとても優れた通貨ではない。
価格変動によって、交換媒体としては機能しない。

と述べた。

ヘリテージ財団データ分析センターディレクターのミシェル氏は、仮想通貨に関する規制について

金融庁規制当局は、マネーロンダリングなどの犯罪行為に悪用される可能性があるというだけで、仮想通貨に対して厳しい規制を適用してはいけない。
犯罪者が仮想通貨を使用したことは事実ですが、犯罪者が飛行機やコンピュータ、自動車を使用していることも事実です。
“犯罪者が使用した”ということだけで、犯罪化するべきではありません。

と、語った。

運営の見解

運営の堀口
イノベーションと規制で揺れる米公聴会ですが、金融庁規制当局に対して厳しい規制を適用してはいけないとしています。
仮想通貨を中央銀行が使う、というアイデア自体はトラストレスの思想から生まれた仮想通貨の概念上、不可逆的に作用します。
シンプルに言うと、銀行は儲からないのでやりません。
そして仮想通貨の扱いについて中央銀行が議論し、規制したところで、仮想通貨の価値は変わりません。
将来的に仮想通貨が一般的にも使える環境が整えば、共創しながら選択肢が増えていきます。
どの通貨を使うか選択できる、それだけで今よりもっといい世界になるのではないでしょうか。
運営の椎木
確かにボラティリティの面やダークウェブなどの件をみれば、仮想通貨は「通貨」としては微妙かもしれません。
しかし、それ以上に技術的に優れた点がたくさんあるので、既存のサービスやプロダクトに組み込むことによって私たちの生活はより豊かになります。
財務的な側面よりそれをはるかに超える可能性を討論してほしいと思います。