Securitize、15億の資金調達に成功|STOの普及に向け証券会社でコンソーシアム形成へ
ブロックチェーン上でデジタル証券の発行や、管理を行うソリューションの提供とコンサルを行うサービスを展開しているテック企業であるSecuritize社は、三菱UFJイノベーション・パートナーズ(MUIP)、野村ホールディングス、スペインのサンタンデール銀行が運営するベンチャーキャピタルを含む投資家グループから1400万ドル(約15億円)の資金調達を完了したことを発表した。
今回の資金調達で、アジア全体におけるデジタル証券への関心が高まり、KDDI、三井不動産なども投資ラウンドに参加していること明らかになった。
Securitizeとは?
Securitizeは、デジタル証券を作成および管理するためのグローバルで活用出来るソリューションである。セキュリタイズのデジタル証券の管理を可能にしているのが、同社の「DSプロトコル」であり、SecuritizeのDSエコシステムでは、証券のライフサイクルに必要なコンプライアンスや登録作業を、強制執行するスマートコントラクトによって制御することが可能になる。
近年のブロックチェーン業界では、セキュリティトークンが注目されており、STO(Security Token Offering)という資金調達方法で必要な資金を回収する。2017年のICOブームで詐欺トークンが横行したことから、よりセキュアで、確実な資金調達の手段として考案された。
今年の5月からは、金商法改正が施行され電子記録移転権利(デジタル権利証=トークン)の売買に関しては、第1種金融商品取引業者が取り扱うことになり、来年の4月から始まる金融商品取引法により、STOで資金を調達する企業が増えてくる事が予測される。また、2019年中に最初の社債発行プラットフォームを構築して、9000兆円規模のマーケットを確立すべく、IBMのチームと共同で、HyperledgerとSecuritizeのプラットフォームを繋ぐ実験をしているようだ。
HyperledgerのメンバーにはJPモルガンやアメックス、ドイツ銀行など最大手の銀行が参画しており、実験が成功すれば巨大なコンソーシアムの形成になることが予測される。
日本のSTO普及の流れ
これらの流れに乗り、日本においてもSBI証券が主導し、野村証券や大和証券などの大手証券会社がSTOに関する自主規制団体を作り、国内のルール整備に乗り出すようだ。
金商法などの法規制が制定され、STOに対する信頼性が担保することが可能になればスタートアップ企業も手軽に資金調達の手段が広がり、ブロックチェーン事業を含めたテック企業の促進にも繋がりそうだ。